ビジネスチャンスを創造するというIoTですが、新たなビジネス領域を開拓しているかというと、まだそこまでの効果は発揮していません。
先日、インテルがIoT(Internet of Things)に関する同社の取り組みを紹介する記者会見を開催しました。そこでは2014年9月に正式発表した超小型コンピュータ「Edison」の搭載製品も披露した他、どれだけIoTがビジネスにプラスになるのかという事例も紹介されました。
紹介された事例は、米Vnomicsが開発した自動車向けIoTソリューション、オムロンの加工/検査データ活用による品質管理向上ソリューション、インテルの半導体製造工場におけるビッグデータ活用と多岐に渡りましたが、それらに共通するのは「IoT導入による効率化で収益性改善を果たした」ということでした。
また、米インテル幹部の紹介した資料も、IoTによるデータの有効活用と収益化は「1%のパワー」と呼べる業績改善をもたらし、航空産業ならば燃料削減で300億ドル、電力産業ならば同じく燃料削減で600億ドル、医療産業ならばシステム効率改善で630億ドルの業績向上をそれぞれ期待できるという内容でした。
あくまでも現段階での紹介というエクスキューズがつきますが事例を見る限り、IoTはマイナスをゼロにするという効果しか発揮していません。IoTは新たなビジネス領域を開拓し、ゼロをイチにする効果をまだ発揮していないのです。
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