フラワー・ロボティクスは、機能拡張型の家庭用ロボット「Patin(パタン)」の開発を発表。AI(人工知能)を搭載した自律移動型のロボットで、本体上部に照明や植栽といった家庭内にある家電や家具の機能を持つ「サービス・ユニット」を取り付けることができる。同社は2016年の製品化を目指すという。
フラワー・ロボティクスは2014年9月18日、東京都内で会見を開き、機能拡張型の家庭用ロボット「Patin(パタン)」を発表した。AI(人工知能)を搭載した自走式のロボットで、本体上部に照明や植栽といった家電や家具の機能を持つ「サービス・ユニット」を取り付けることができるのが特徴。同社は2016年に製品化を目指すとしている。
Patinは内蔵された3Dカメラや各種センサーによって空間認識する能力を持っており、AIによる自律走行が可能。本体上部に装着するサービス・ユニットを使ってさまざまな機能を実現できることを特徴としている。例えば、照明ユニットを装着する場合には、人の行動に合わせて照明の明るさを調節したり、植栽ユニットを装着する場合には植物に日光を当てるために窓際に移動するといったことを行えるという。
会見に登壇したフラワー・ロボティクス 代表取締役社長の松井龍哉氏は「学習や人工知能などロボットのさまざまな魅力の中でも、やはり動くという機能そのものが圧倒的に面白いと思う。Patinはフランス語でスケートという意味で、既存の家電や家具などにスケート靴を履かせ、動く機能を与えれば新しい風景が生まれるのではないかというアイデアから生まれた」とPatinの開発コンセプトについて説明した。
フラワー・ロボティクスは、Patinに装着する家具や家電の機能を持ったサービス・ユニットについて、サードパーティーの企業も開発できる環境を整える方針だ。サービス・ユニットには、Patin本体と情報のやりとりができるAndroidベースのプラットフォームを採用する。このプラットフォーム上で動作するアプリケーションソフトウェアを開発するためのSDKを2015年内に提供することで、サードパーティーの参入を促したい考えだ。
このようにフラワー・ロボティクスは、サービス・ユニットの開発については協力企業を募集し、Patin本体はAIロボットのプラットフォームとしてユーザーに提供するビジネスモデルを想定している。これについて松井氏は「多くの企業がロボット市場に注目しているが、どう参入すればいいかが分からないという現状がある。こうしたプラットフォーム型のロボットを提供することで、インテリアや家電のメーカーがロボット開発に参入しやすくなると思う。サードパーティーの企業にこちらからロボット開発のノウハウを提供しすることで、一緒にロボット市場を拡大させていきたい。サービス・ユニットのSDKは企業だけでなく個人や技術者にも提供する方針」と説明した。
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