ある訪問先では、キュービトロンIIを見せると「こんなもの持ってくるな!」と言われたこともあるという。グラインダー作業などの研磨作業を行う際には、砥石が使われる場合が多く、キュービトロンIIのような、砥粒を布に吹き付けた塗布研磨材を見せると「そんなもの使えるわけがないし、今使っている砥石で十分」と思われてしまうのがその理由だった。
そこで住友3Mは、キュービトロンIIの研削スピードや耐久性が、生産性の向上につながるということを現場の人に深く理解してもらうため、研磨専門のアドバイザーチームである研援隊の結成を決めたという。
2012年5月から活動を開始した研援隊は、現在9人のメンバーで構成されており、九州、近畿、中部、関東などを中心に、実際の製造現場でのヒアリングやキュービトロンIIなどのデモンストレーションを行っている。2012年5月の結成から2014年3月までに、全国6000カ所以上の現場を訪問してきたという。山根氏はこの研援隊の活動について「実際の現場で、その製品の良さを人が直接伝えることが重要だと考えている。研援隊と各地域の販売店が連携しながら、地元の製造業者の方々とのネットワークを構築できるということがとても大きい」と話す。
住友3MのキュービトロンII シリーズは、研援隊の活動の効果もあり、2014年度は前年度比で3倍の売り上げ成長を見込んでいるという。山根氏は「キュービトロンIIを導入していただいた方からは、研磨時間が大幅に短縮でき、騒音対策にもつながったという声や、短縮できた時間を他の工程に回すことができたという声もいただいている。研援隊の活動などを含め、住友3Mは今後もキュービトロンIIだけでなく、さまざまな製品とアイデアで中小製造業の現場を支援していきたい」としている。
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