CRI、あらゆる機器で音声/動画再生を可能にするミドルウェア発表ローエンドマイコンで実現可能

CRI・ミドルウェアは、サウンド/動画再生を低コストで実現する組み込み機器向けミドルウェア「D-Amp Driver」「かるイイ音」「かるエエ像」の3製品を発表した。

» 2011年06月15日 16時45分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 2011年6月15日、CRI・ミドルウェアはサウンド/動画再生を低コストで実現する組み込み機器向けミドルウェア「D-Amp Driver(ダンプドライバー)」「かるイイ音(ね)」「かるエエ像(ぞ)」の3製品を発表した。

 D-Amp Driverは、アンプやローパスフィルタなどの外部回路部品を使わずに、マイコンのPWMと安価な汎用FETだけでサウンド出力を実現するミドルウェア。コストの制約からこれまで限られた機器でしか実現できなかったアナウンス音/音声ガイダンスをさまざまな機器(生活家電、OA機器、FA機器、産業機器など)で実現できるという。同製品を採用することで、部品コストを10分の1(生産数量や状況によって変動)にまで削減できるとし、さらに部品の生産終了による基板の改版も軽減されるため、長期的に同じ基板の生産が可能となりメンテナンスコストの削減にも貢献できるとしている。

「D-Amp Driver」による外部回路の削減イメージ 図1 「D-Amp Driver」による外部回路の削減イメージ

 一方、組み込みマイコン上でのサウンド再生を実現するのが、かるイイ音だ。これまで音を出すのが難しいとされていた「R8C/25(20MHz動作)」クラスのローエンドマイコンで、音質の良いサウンド/音声を3音程度まで同時再生することが可能になるという。独自コーデックを採用し、低負荷かつ高音質を実現。さまざまな再生方法(複数音同時再生、継ぎ目のない連結再生、継ぎ目のないループ再生など)に対応する。ビープ音しか鳴らなかった機器での音声ガイダンス再生、家電などのメロディー音と操作音の同時再生、複数音声をつなげた自然な読み上げなどで活用できるとしている。

 かるイイ音と同じようなアプローチの製品が、かるエエ像だ(注1)。こちらは、マイコン上で動画再生を実現するミドルウェアで、これまで動画再生が困難とされていた「SH-2A(SH7264、144MHz動作)」クラスのマイコンで、QVGA解像度(320×240ピクセル)、15〜30fpsの動画再生を実現する。また、複数動画の同時再生、連続した動画の継ぎ目のない切り替えなど、さまざまな再生方法をサポートする他、LEDの点滅やモーター/アクチュエータの起動などを動画再生と連動させることも可能だという。炊飯器、冷蔵庫、洗濯機などの家庭用電化製品や車載機器、FA機器など、これまでコスト面・技術面で動画再生が難しかった機器で、動画を用いたガイダンス、CM配信などが実現できるとしている。

※注1:かるイイ音とかるエエ像は、同社がエンターテインメント業界で15年以上にわたり提供してきたサウンド/動画ミドルウェア「CRI ADX」「CRI Sofdec」をベースに開発されたもの。


 なお、2011年6月16、17日の2日間、インテックス大阪で開催される「Embedded Technology West 2011/組込み総合技術展 関西」において、本稿で紹介した3製品の展示・デモが行われるという(コア社ブース内[C-07])。

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