Imagine Cup 2010 組み込み開発部門でベスト10入りを果たした東京高専のチーム「CLFS」。次はベスト6を賭け、世界に挑戦する!
前回「昨年の雪辱なるか? 東京高専ついに始動!!」でお伝えしたとおり、Imagine Cup 2010 ポーランド世界大会の組み込み開発部で見事、第1ラウンドを突破(ベスト10入り)した国立東京工業高等専門学校のチーム「CLFS」。第1ラウンドの激闘を終えた翌日(現地時間:2010年7月5日)、さらに審査内容が厳しくなる第2ラウンドが行われた。本稿ではその競技の模様と結果を紹介する。
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⇒ | 昨年の雪辱なるか? 東京高専ついに始動!! |
第2ラウンドでは、日本を含めた全10チームが順番(台湾、韓国、アメリカ、ブラジル、イギリス、日本、ロシア、ルーマニア、ドイツ、フランスの順)に展示ブースでデモンストレーションを交えたプレゼンテーションを行う。第2ラウンドの審査員は6人。20分の制限時間のほとんどが質疑応答に当てられている。
質疑の内容も第1ラウンドで行われたものよりもさらに厳しく、主に技術面にフォーカスしたものがほとんど。「昨年のエジプト大会初戦敗退後、他国の第2ラウンドの様子を見学した。相当な覚悟をして臨まないとベスト6には残れないだろう」とチーム内で唯一、昨年のImagine Cup 2009 エジプト世界大会を経験している有賀 雄基氏(今大会ではチームリーダーを務める)は真剣に語っていた。
また、CLFSを2年連続で世界大会に導いた国立東京工業高等専門学校 情報工学科 教授 松林 勝志氏も第1ラウンドを終えた夜、すぐにCLFSのメンバーに活を入れて、チームメンバーとともに第2ラウンドへ向け、プレゼンテーション資料や想定問答集のブラッシュアップについて熱く議論していた。「審査員は産学の有識者が務めるため、マイクロソフトの社員やメンターの方々を交えて、さまざまな視点から想定できる範囲の質問・意見を出し合った」(松林氏)。
壮行会のときに「日本でも優秀な学生がきちんと育っていることを知らしめたい」と訴えていた松林氏は第1ラウンドの勝利を振り返り、「ベストな結果を残せていると思う。日本大会で敗れた学生たちや、これまでサポートしてくれた関係者のためにも最後までやれることをしっかりとやって、力を発揮してほしい」(松林氏)とCLFSのメンバーにエールを贈った。
――決戦当日。これまで支えてきてくれたメンター、マイクロソフトの関係者が見守る中、20分間の戦いがはじまった。
「まず、ハードリセットかけて」と開始早々審査員は要求。その後も「各種センサがどのように接続・配線されているのか」「消費電力はどれくらいか」や、「量産効果でコストが10分の1になるとうたっているが、何台製造すればその効果が出るのか」「昨年との違いは何なのか」など、技術的な視点からビジネスモデルまで幅広く、そして第1ラウンドとは異なる厳しい質問がひっきりなしに飛び交っていた。
動画1 CLFSの第2ラウンド開始。6人の審査員を前に発表 |
この苦しい状況の中、チームで一番英語が堪能なLydia LING YIENG CHEN氏が中心となり受け応えをし、それをバックアップする形で有賀氏とハードウェア担当の久野 翔平氏がLydia氏にアドバイスしたり、プレゼンテーション用のスライドを切り替えたりなど、慌ただしいながらも献身的に動いていたのが印象的だった。
――そしてタイムアップ。厳しい戦いを終えたCLFSメンバーへ向けて関係者から大きな拍手とともにねぎらいの言葉が掛けられた。
ここでは、メディア向けに公開された他国の作品を簡単に紹介しておこう。
まずは台湾代表のチーム「SmartME」の作品。ミレニアム開発目標(MDGs)から環境の持続可能性の確保をテーマに選択し、家庭内で使われる電化製品の消費電力の“見える化”を行う「Smarter Meter」を開発。
韓国代表のチーム「RU Gentle」は台湾と同じく、環境の持続可能性の確保をテーマに選択。各自動車メーカーは自動車排気ガスのCO2排出量削減に取り組んでいるもののまだ増えているのが現状。この作品でCO2の排出が抑えられる最適な運転をドライバーに促すという。
極度の貧困と飢餓の撲滅、幼児死亡率の引き下げ、HIV/エイズ、マラリア、そのほかの疾病の蔓延(まんえん)防止などを解決する作品をドイツ代表チーム「SmartTT」が開発。危険な地域へ救援物資を輸送する際、輸送ルートが危険な状況にあるかどうかをドライバーに知らせるというもの。また、ドライバー自身も危険な状況を確認したらボタンを押すことで、その状況をシステムを通じてほかのドライバーに知らせることができるという。
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