WES7では、2種類のランタイムライセンスが用意されています。
それぞれのライセンスに応じて、使用可能なパッケージが異なります。例えば、AppLockerやBitLockerといったセキュリティ機能を使用する場合は、WS7Pライセンスが必要となります。詳しくは、マイクロソフトのWebサイトを参照してください。
特集記事「Windows Embedded Standard “Quebec”とは?」にあるとおり、開発当初、WES7は「Quebec」というコードネームで呼ばれていました。
その後、CTP(Community Technology Preview)版が公開されたタイミングでは、リリース年を基にしたバージョン名「Windows Embedded Standard 2011」という名前で呼ばれるようになりました。しかし、PC向けに発売されたWindows 7の好セールスやユーザーからの反応を考慮し、2010年2月にバージョン番号の付け方の変更に関する発表がなされ、リリース年を基にしたバージョン名から、ベースOSのバージョン番号を基にしたバージョン名を採用することとなりました。
こうして、ベースOSであるWindows 7のバージョン番号「7」を継承し、新バージョンの名称は「Windows Embedded Standard 7」となったのです。
こうした経緯もあり(また、名称変更がなされて間もないため)、Web上で技術情報を検索する際は、“Windows Embedded Standard 2011”や“Quebec”というキーワードでも検索してみるとよいでしょう。
先に述べたように、これまで使用されてきたWES2009は、Windows XPをベースとした組み込み用途OSであり、今回発表されたWES7はWindows 7ベースです。お気付きかと思いますが、実は「Windows Vista」ベースのWindows Embedded Standardは存在しません。
マイクロソフトによると、デスクトップPC用OSと比較して、組み込み機器用OSのライフサイクルは格段に長いため、無理してデスクトップPC用OSのライフサイクルには合わせず、Vistaベースでの開発を見送りWindows 7をベースとしたとのことです。
さて、今回はWES7の概要について説明しました。次回は、WES7で刷新された開発ツールをWES2009と比較しながら紹介します。ご期待ください!(次回に続く)
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