2008年6月25〜27日の3日間、東京ビッグサイトで「第19回 設計・製造ソリューション展(以下、DMS展)」が開催される。今年で10回目の出展となるアマダは、過去最大規模の36小間にて製品個別のデモンストレーションに加え、同社初の試みとして「事例紹介」を行うという。
今年のアマダは「3次元データを活用したVPSS(バーチャル試作システム)導入事例の紹介」をテーマに、36小間の大ブースにて3次元ソリッド板金CADシステム「SheetWorks」や全自動CAM「Dr.ABE_Blank」「Dr.ABE_Bend」、工場の見える化を図る「vFactory」、生産管理システムソフトウェア「APC21」「WILL」、下降式ベンディングマシン「HDS8025NT」を出展する。
従来のDMS展では「3次元設計図からのモノづくり」をテーマに製品の個別機能・性能のデモンストレーションおよびパネルでの紹介形式を取ってきた。今回のDMS展では同社初の試みとして、3次元CADデータを製造までシームレスに運用している顧客事例映像をメインステージにて上映する事例紹介形式にしたという。
事例紹介はワールド山内、関東精工、平野製作所の3社を予定している。
板金サプライヤーがそれぞれの取引先に対し、3次元データを活用して積極的にVA/VE提案を行う姿を加工までの流れを含めて紹介する。昨今における日本の製造業において課題とされている素材価格の高騰、厳しい環境基準のクリア、製品サイクルの短命化に対し、同社では設計力や製造力の強化の重要性とそれに対する取り組みについて訴えたいとしている。
同社ソリューション販売部門ソフト販売部CEグループ 宮地元康氏は次のように語る。
「従来のデモンストレーションでは、設計から送られてくる3次元データの処理についてCAD/CAM一貫生産の流れを紹介していましたが、今回はそれらアマダの提供するツールを活用し、大きな効果を上げられているお客さまをご紹介します」
今年で10回目の出展となる同社。製品自体の見どころはどうだろうか。
ユーザーからの要望はコストに関するものが多く、3次元データから簡単にコスト計算を行えるシステムを求められるという。
「今回出展する中でメインとなる製品としてSheetWorksがありますが、その中に見積もり指標出力という機能があります。展開時に、その図形の周長、最大矩形寸法、面積、重量、曲げ線情報、成形の種類や数などの情報をMicrosoft Access形式のファイルで自動出力できます。もともとメインの機能ではないのですが、話題にあがることが多くなりました」(宮地氏)
SheetWorksはCAM側との連携に力を入れており、モデルに含まれるバーリング、タップ、ルーバーなどの成形形状や特型、異形穴などを自動分離し、加工工程情報への置き換えが自動で行えるという。また、ベンディングマシンで活用できる曲げ線属性の自動出力機能や、さらには現場で活用できる三面図の自動出力(自動寸法挿入)機能も備えている。
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なお、当日はアマダブースにて各製品の個別デモンストレーションも行われる。出展に先駆け、会場での実演も予定されている下降式ベンディングマシンHDS8025NTを実際に見せていただいた。ハイブリッド・ドライブシステムを採用した高精度・省電力・低騒音マシンは、オプションの「Bi-J」(ベンディングインジケータ:曲げ角度測定システム)を活用することによって試し曲げを不要にしているという。
曲げた後は、無線デジプロという角度測定器を用いてNC装置「AMNC/PC」へ無線送信する。受信した測定値と目標角度を基に補正値の自動計算が行われる。操作はセットボタンを押すだけであり、補正値の入力ミス防止や入力時間の削減が可能とのこと。
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