「Windows Network Projector」は、プロジェクタを実現する機能です。Windows Network Projector機能を追加したWindows Embedded CEを組み込むことで、ネットワークを介してWindows Vistaの画面(PowerPointスライドショウやWindows Media Playerの再生画面など)を表示するデバイス(プロジェクタ)を開発することができます。PCからWindows Network Projectorデバイスへの画面データの転送には、Windowsが従来提供しているRemote Desktopのプロトコルを利用しています。
ここでもeBox-2300を例に、実機でWindows Network Projectorを起動させる方法を説明します。Networked Media Deviceと同様に新規プロジェクトを作成してBSPを選択します。
「Design Template」画面では「Thin Client」を、次に表示される「Design Template Variants」では「Windows Network Projector」を選択します。このテンプレートをベースにワークスペースを作成すると、Windows Network Projector機能を利用するコンポーネントがデフォルトで選択状態となります。
このワークスペースをビルドし、Windows Network Projector対応OSイメージを構築します。
前述のブートローダを利用して、OSイメージをeBox-2300上で起動させると以下のような画面が表示されます。
これがサンプルとして用意されているWindows Network Projectorのシェルです(注)。シェル画面のURLとパスワードは、Windows Vista PCと接続する際に使用します。また、Windows Network ProjectorデバイスとWindows Vista PCは、WSD(Web Services on Devices)プロトコルを利用して情報のやりとりを行います。Windows Network ProjectorデバイスとWindows Vista PCを接続する際、上記のURLを入力する方法ではなくWSDを利用して接続対象を検索することもできます。
本稿で紹介した2つの機能はどちらも、サンプルのシェルなどのフレームワークが提供されていることが特徴です。
また、今回利用したeBox-2300のようにBSPが用意されているデバイスを利用することで、Windows Embedded CEだけではなくNetworked Media DeviceやWindows Network Projectorの機能を容易に評価することができます。
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