そして2004年6月、国内初となるXP Embeddedベースのアーケード基板「TAITO Type X」を発売。標準CPUにはCeleron 2.5GHz (同2.0G〜2.8GHz、Pentium 4 2.0G〜3.0GHzから選択可能)を搭載、メモリは256Mbytes (最大2Gbytes)、ビデオカードはATIの「RADEON」シリーズといった仕様である。
その後、上位版のType X+、パチンコ・パチスロ機向けType X7、最新版Type X2とシリーズ化してきた。
Type X2 | Type X | Type X7 | |
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CPU | Core 2 Duo E6400/Pentium 4 651/Celeron D 352などから選択可能 | Celeron 2.5GHz(Celeron 2.0GHz、Pentium 4 2.0/2.4/2.6/2.8/3.0GHz HT対応可能) | Celeron M 600MHz |
OS | Windows XP Embedded SP2 | Windows XP Embedded | Windows XP Embedded |
チップセット | Intel Q965+ICH8 | Intel 865G+ICH4 | Intel 855GME+ICH4 |
メモリ | DDR2-667MHz 512Mbytes/1Gbyteから選択可能(DDR2-800MHz 4Gbytesまで対応可能) | DDR266 DIMM 256Mbytes(DDR400 最大2Gbytesまで対応可能)2スロット | 512Mbytes |
ビデオカード | PCI Express x16対応RADEON X1600Pro/X1300LEなど、GeForce 7900GS/7600GS/7300GSなどから選択可能 | RADEON 9600SE(128Mbytes)/9600XT(128Mbytes)/X700PRO(256Mbytes) | Mobility RADEON 9550(128Mbytes) |
オーディオ | オンボードHD Audio 7.1ch(サウンドカードの追加も可能) | オンボードAC97 5.1ch | オンボードAC97 5.1ch |
LAN | オンボード10/100/1000BASE | オンボード10/100BASE-TX | |
HDD | 80Gbytes | 40Gbytes | フラッシュROM 512M〜2Gbytes |
表 Type Xシリーズの主な仕様(Type X+については仕様非公開) |
結果的に、Type Xシリーズは業界に大きな反響を呼んだ。現在までの出荷台数は、当初目標の1.5倍に当たる3万台を超えた。最近のアーケード業界では、1タイトルで1000台の出荷があれば“ヒット作”と呼ばれることを考えれば大ヒットである。また、Type X出荷台数の約半数は外販が占める。それだけ業界内で広く注目を集め、Type Xシリーズを使った実機開発が進んだ。サードパーティが手掛けるキッズ用カードゲームからタイトー自身のレーシングゲーム「バトルギア4」やシューティングゲーム「Half-Life 2 SURVIVOR」など、ジャンルも幅広い。
新しいプラットフォームであるType Xシリーズが外部から即支持されたのには、理由がある。1つには、それだけ従来環境での開発負担に悩んでいたゲームソフトメーカーが多かったことが挙げられる。アーケード機専用であろうと家庭用機ベースであろうと、独自アーキテクチャ上でゲームソフトを開発する場合、1台100万円もするような専用開発機や特別な開発ツール、ライブラリが必要になる。コストも掛かり、専門的なエンジニアを確保しなければならない。Type Xシリーズなら、一般的なPCがそのまま開発機になり、広く普及しているVisual StudioやDirectXが使える。コストを抑えられ、技術者確保も比較的容易である。
ハード仕様が固定された従来型基板に比べて、Type Xシリーズはゲームソフトのシステム要求に合わせて最適な仕様を選べる点も魅力だ。例えば、カードゲームとレーシングゲームでは、当然ながら要求スペックが異なる。そこで、前者はType X、後者ならType X+(Type X2)のように最適な基板を選べ、さらにCPUやビデオカードの種類、メモリ容量も指定できる。1プラットフォームで多様なジャンルのゲームソフトをカバーできる点は、アーケード基板に適している。さらに汎用筐体(標準的なビデオゲーム筐体)のアーケード機なら、ゲームソフトを格納したハードディスクを交換することで同じ基板を複数タイトルで使い回せる。専用筐体の場合は、基板(筐体)を使い回せない分、仕様のフルカスタマイズも可能という。
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