組み込み向けのWindows OSは、Windows XP EmbeddedとWindows CEに大別できます。そして、Windows XP Embeddedはハイエンドの組み込みデバイス向けOS、Windows CEは限られたシステムリソース内で動作させるOS、というようなイメージを持っている方が多いと思います。Windows CEは、起動できるプロセス数やメモリに強い制約があったためでしょう。
Windows CE6ではメモリ管理の仕様変更で制限が緩和され、これまで以上にさまざまな組み込みデバイスに採用できる可能性が開かれました。また、カーネル構成の変更によってパフォーマンスの向上も期待できると思います。
開発環境の面でも、OSイメージ開発からドライバ、アプリケーション開発までVisual Studio 2005に統合されたことにより、理想的な形に近づいたと思います。いままでPlatform Builderを利用していた開発者は戸惑う場面もあるでしょう。とはいえ、Platform BuilderのIDEに近づけた環境となっているため、設定項目の場所や手順さえ分かってしまえば、Platform Builderと同じように扱えるはずです。
Windows CE 6リリース後は、Windows CE 5.0のように評価版もリリースされると思われます。その際は、実際に評価版を利用して評価してみてはいかがでしょうか? Platform Builderプラグインに同梱されているCEPC BSP(x86プロセッサ用汎用BSP)を利用すれば、x86デバイスについては比較的簡単に起動させることができます。皆さんがいつも利用しているPC上でWindows CEを起動させることができるものもあります(注)。
Windows CE 6の連載は、今回が最終回となります。本記事はベータ版を基にしていますが、製品版のリリース後、特筆すべき部分がある場合は第4回(?)があるかもしれません。
本連載が皆さんの開発の手助けとなり、Windows CEがより身近なものとなれば幸いです。(第4回へ続く)
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