コーヒーチェーンの焙煎管理も!? コニカミノルタのセンシング事業の成長戦略:組み込み開発ニュース(2/3 ページ)

» 2026年10月30日 06時15分 公開
[朴尚洙,MONOist]

「いつ誰がどこで測っても同じ計測結果」を実現する物体色計測

 一方、物体色計測は、自動車の内装/外装、樹脂、繊維製品など、光を反射するものの色や光沢を計測する機器を手掛けている。コニカミノルタの物体色計測の強みは、業界トップクラスの技術力を持つ校正処理、機構設計、光学設計を一体にして作り込むことで、顧客ニーズである「いつ誰がどこで測っても同じ計測結果」を実現している点にある。

コニカミノルタの物体色計測の強み コニカミノルタの物体色計測の強み[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 物体色計測でも、光源色計測と同様にグローバルで品質を統一するニーズが高まっている。生産拠点が世界各国に広がり、各拠点で同じ基準の計測機器を使い、計測データを共通の言語として共有/管理することが求められているのだ。三上氏は「例えば、飲料ではコーヒーの焙煎状況を色で管理することが可能である。著名なグローバルコーヒーショップでは、世界中で同じ味のコーヒーを提供するために、焙煎の色を管理することで、世界中のどこでも、統一したコーヒーの味や香りを提供し、品質とブランドを管理している」と説明する。

物体色計測の成長戦略 物体色計測の成長戦略[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 検査工程の自動化に対するニーズも強い。コニカミノルタは、高精度な物体色計測機器に加え、計測データを蓄積/分析するソフトウェアやサービスの拡充によって対応する考えだ。成長領域のハイパースペクトルイメージングの技術とも連携して、テキスタイル/アパレル業界への展開を強化するとしている。

「精度」「識別」「高速化」を組み合わせた自動車外観検査

 成長領域の自動車外観検査は、意匠性の高い車体について、塗装欠陥、隙間/段差、組み立て状態の検査から、最終品質検査までを自動化するソリューションである。微細な欠陥を素早く正確に見分けることが求められる一方で、多様な車種/デザイン/色への対応、車体表面の微細な欠陥の検出、生産ラインの安定稼働と速度への対応、熟練技能者に依存しない検査といった要求があり、微細な欠陥を見分ける検出精度と、生産速度に追従する高速性を両立することが重要になるという。

自動車外観検査装置の特徴 自動車外観検査装置の特徴[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 コニカミノルタの技術の強みは、照明設計や光学シミュレーションを駆使し、車体からの反射光のわずかな変化を捉えることで、通常の画像では見えにくい微小な欠陥を可視化する「精度」、AIを組み込んだ技術で1mm以下の欠陥の種類を見分ける「識別」、車体の動きやライン制御と同期させて車両1台当たり約4万枚の画像を撮影する「高速化」に分けられる。精度、識別、高速化の組み合わせにより、自動車の生産ラインの速度を止めずに、自動で欠陥を素早く正確に見分けることを可能にしているのだ。

コニカミノルタの自動車外観検査の強み コニカミノルタの自動車外観検査の強み[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 コニカミノルタは買収したEines Systemsと連携して、自動車製造の各工程の課題に合わせて検査装置を開発している。トンネル型検査機は、2019年のEines Systemsの買収時は2機種だったが、現在は4機種に倍増した。最終検査で必要な項目を一括して検査できるオールインワンタイプを2025年に投入。自動車部品メーカー向けの検査機も加えるなどラインアップを拡充している。2025年には世界での設置台数が100台を超えており、2026年の受注も堅調である。

自動車外観検査のラインアップを拡大 自動車外観検査のラインアップを拡大[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

 今後の自動車外観検査は、新規顧客の開拓と、既存顧客におけるさまざまなトンネル型検査機の導入拡大を両輪とした成長戦略を推進する。先述した自動車部品メーカー向けの検査機から、新たに市場流通車向けのソリューションを広げていく。Eines Systemsの地盤である欧米に加え、日本では複数社に導入しており、インドでも初受注するなど地域面でも展開を拡大できている。さらに、情報機器事業の販売ネットワークを活用し、自動車部品産業が盛んな東欧でホイール検査装置を受注するなど、新たな販路開拓にも積極的だ。さらに、ハイパースペクトルイメージングとの連携による自動車部材のリサイクルでサーキュラーエコノミー(循環経済)への対応も見据えている。

自動車外観検査の成長戦略 自動車外観検査の成長戦略[クリックで拡大] 出所:コニカミノルタ

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