本田技術研究所は、「CEATEC 2026」において、遠隔地にいる操作者が意のままに操れる分身ロボット「Honda Avatar Robot」を披露した。2030年までの実用化を視野に入れて開発を進めている技術だ。
本田技術研究所は、「CEATEC 2026」(2026年10月13〜16日、幕張メッセ)において、遠隔地にいる操作者が意のままに操れる分身ロボット「Honda Avatar Robot」を披露した。2030年までの実用化を視野に入れて開発を進めている技術だ。
Honda Avatar Robotは、カメラを搭載する頭部や4本指の多指ハンドを両腕の先に備える上半身型のヒューマノイドだ。ただし、中国や米国を中心に開発が進む、フィジカルAI(人工知能)によってロボット自身が自律的に動作するタイプのヒューマノイドではない。どれだけ離れていても、誰もがやりたいことをその場でかなえられるようにする「時間価値の最大化」と「身体機能の拡張」を目的とするアバターロボットとなっている。
アバターロボットの操作は、VR(仮想現実)ヘッドセットを用いて現場の3次元映像を見ながら行うことが多い。しかし実際には、視覚のうち奥行きは感じにくくなり、手触りや応力などが得られず、さらに操作者自身とアバターロボットの身体の構造が異なるためうまく操作できないことが多い。
この問題を解決するためにHonda Avatar Robotは、4本指ながら人と同様の器用さと力強さを備える多指ハンドと、操作者による遠隔操作を正しく行えるように自律的に補正するAIサポートシステムを搭載している。
ヒューマノイド開発で難しいとされる多指ハンドについては、独自の伝達機構を採用することで、器用さ、力強さ、耐久性を人の手と同じサイズで実現したとする。展示では、ギヤボックスのねじ穴に挿入したねじを多指ハンドの指先でつまんだドライバーを使って回したり、多指ハンドで握ったトルクレンチによってねじを締結したりといった作業のデモンストレーションを披露した。
ただし、多指ハンドの性能が高いとはいえ、遠隔操作の難しさもあって実際に人の手で行うのとの比べて作業をスムーズに行うことは難しい。例えば、次の工程に向けて作業しやすいように、一度つかんだねじを持ち直そうとすると落としてしまう。しかし、AIサポートシステムは、操作者が行いたい作業を推定し多指ハンドの指先の動きを補正することで、ねじを落とすことなく持ち直すことができる。
「今後はヒューマノイドがフィジカルAIにより工場などで自律的に作業を行うことが考えられる。しかし、現在のAIが100%の精度を期待できない以上、作業を失敗する可能性があるが、Honda Avatar Robotの技術を使えば遠隔操作に切り替えて作業を継続することなども可能になるだろう」(本田技術研究所の説明員)
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