ルネサス エレクトロニクスが「RXファミリー」として初めて22nmプロセスとMRAMを採用した「RX74M」と「RX74N」を発表。最大周波数600MHzで動作する最上位のRXマイコンとなり、240MHzで動作する現行の「RX72M」「RX72N」に対して2倍以上の性能を実現した。
ルネサス エレクトロニクスは2026年10月22日、「RXファミリー」として初めて22nmプロセスとMRAM(磁気抵抗メモリ)を採用した「RX74M」と「RX74N」を発表した。最大周波数600MHzで動作する最上位のRXマイコンとなり、240MHzで動作する現行の「RX72M」「RX72N」に対して2倍以上の性能を実現した。既に量産と販売を開始している。
RX74M/RX74Nは、最大600MHz動作の「RXv3e」コアと1MBのMRAM、CPUからノーウェイトでアクセスできる256KBのTCM(密結合メモリ)、1.5MBのSRAMを搭載している。これにより、割り込みや分岐が多い処理でも高速かつジッタの少ないリアルタイム処理が可能になるという。
ルネサスはこれまでArmコアを搭載する「RAファミリー」向けに、22nmプロセスとMRAMの技術を投入してきた。今回発表したRX74M/RX74Nで、RXファミリーにも展開を広げたことになる。
RX74Mは、ACドライブや産業用ロボット、PLCなどの産業オートメーション/FA機器向けの製品でRX72Mの後継となる。EtherCATスレーブコントローラー、TSN(Time Sensitive Networking)対応ギガビットイーサネットスイッチ、CAN-FDなどのネットワーク機能を1チップに統合。これにより、EtherCAT、PROFINET、EtherNet/IPといった主要な産業ネットワークを単一デバイスでサポートする。また、TSNによる確定的通信や、従来世代のRX72Mでは難しかったEtherNet/IP DLR(Device Level Ring)などの冗長ネットワーク構成にも対応する。
一方、RX74Nは、スマートメーターやパワーコンディショナー、HVAC(暖房換気空調機器)などの幅広い産業機器向けとなる。
また、RX74MとRX74Nは、欧州サイバーセキュリティ規則(CRA)などに対応するため、RXv3eコアに新たに「ProtectZone」を搭載している。これにより、セキュア領域と非セキュア領域を単一チップ内で分離できるようになった。また、次世代セキュリティIP「RSIP」は、従来の「TSIP」に対して公開鍵暗号を拡張するとともに、認証付き暗号や、より広範なハッシュアルゴリズムに対応する。これにより、PQC(耐量子計算機暗号)を含む将来を見据えた高度なセキュリティ実装をマイコン単体で実現できるとしている。
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