IFS最大イベントで新産業用AI発表 対話と自律実行で「眠る40%」を解き放つ:製造ITニュース(1/2 ページ)

IFSのフラグシップカンファレンス「IFS Unleashed 2026」が、米国オーランドで開幕した。同イベントに合わせて、産業用AIプラットフォームの新製品「IFS Intelligence」を発表。対話型機能、自律型エージェント、開発支援の3機能を通じて、企業内に眠る未活用データを引き出し、自律型AIで具体的なアクションへと導く。

» 2026年10月15日 06時30分 公開
[安藤照乃,MONOist]

 IFSのフラグシップカンファレンス「IFS Unleashed 2026」(2026年10月12〜16日[現地時間]、米国フロリダ州オーランド)が開幕した。人材不足やサプライチェーンの分断など、かつてない厳しい制約に直面する産業界に向け、課題を打破するための最新イノベーションや戦略ビジョンを提示する同社最大のユーザーイベントだ。

IFS CEOのマーク・モファット氏 IFS CEOのマーク・モファット氏

 13日の基調講演に登壇したIFS CEOのマーク・モファット氏は、イベントの名称である「Unleashed(解放)」に触れ、「われわれはAI(人工知能)、すなわち超知能によって、人々の能力や資産の潜在能力を“解放”するためにここにいる」と宣言した。組織の内部に眠ったまま十分に活用し切れていない知見や能力を、AIの力で解き放つことが同イベントのテーマであると説明する。

 そしてその“解放”を具現化する切り札として、IFSは同日、産業現場の運用データを活用するAIプラットフォームの新製品「IFS Intelligence」を発表した。基調講演では新製品がいかにして現場の潜在能力を引き出すのか、デモンストレーションを交えながら機能や詳細を明らかにした。

メインホールで行われた基調講演には多くの顧客やパートナーらが参加した メインホールで行われた基調講演には多くの顧客やパートナーらが参加した 出所:IFS

組織に眠る「40%の潜在能力」を引き出す産業用AI

モファット氏 モファット氏

 世界の貿易の75%を占め、経済成長をけん引する産業界だが、現在は設備の調達遅延や深刻な人材不足に直面している。モファット氏は、整備士不足により米国で500機以上が駐機する航空業界を例に挙げ、「人員や設備の増強といった従来のアプローチでの課題解決は極めて困難だ」と指摘する。

 こうした制約下で、多くの組織は本来の能力の60%程度でしか稼働できていないという。「残りの40%は現場の知見や分散したデータの中に眠っている。作業員が実作業に充てる時間は全体の約3分の1にすぎず、残りは情報検索や入力に費やされている」(モファット氏)。この埋もれた能力を引き出すための鍵として、一般的なAIではなく、産業特有のデータや文脈を学習し、企業独自の運用データを活用する「産業用AI」の必要性を強調した。

多くの組織は本来の能力の60%程度しか稼働できていないという 多くの組織は本来の能力の60%程度しか稼働できていないという[クリックで拡大]

 そこで、IFSが産業用AIプラットフォームとして新たに発表したのが、IFS Intelligenceである。

新製品の「IFS Intelligence」を発表した 新製品の「IFS Intelligence」を発表した [クリックで拡大]出所:IFS

 これまで作業員は、課題解決のためにどのシステムを開き、誰に聞くべきかを把握しておく必要があった。IFS Intelligenceはこうした課題に対し、自然言語による単一の対話型インタフェースを提供する。基本となる操作画面は、一般的な生成AIのチャットツールのような構成だ。

 ユーザーはIFS Intelligenceに質問を投げ掛けることで、資産やシステム、プロセスなどあらゆる領域から必要な情報を数分で収集できる。また、定められたルールや権限の範囲内で、自ら質問して解決策を導き出しアクションを起こすことや、特定のタスクをAIエージェントに委任するといったことが可能になる。

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