使用済みリチウムイオン電池の発火を防ぎ、レアメタルを回収する実証開始:リサイクルニュース(1/2 ページ)

自治体のごみ処理施設などで増えているリチウムイオン電池の発火事故の問題や、「どこに捨てればいいのか分からない」という消費者の悩みを解決するため、越谷市やアンカー・ジャパンなどの6者が使用済みリチウムイオン電池の安全な回収体制の構築に向けた実証事業をスタートした。

» 2026年10月08日 07時15分 公開
[遠藤和宏,MONOist]

 越谷市、アンカー・ジャパン、松田産業、電知、NTT東日本グループのビオストック、NTTテレコンは2026年10月6日、越谷市リサイクルプラザ(埼玉県越谷市)で記者会見を開催し、使用済みリチウムイオン電池の安全な回収体制の構築に向けた実証事業を開始したと発表した。

 環境省が実施している「リチウムイオン電池等の製造・販売事業者等と連携した回収体制構築実証事業」に採択された事業で、官民連携で進めている。

「決して対岸の火事」ではない

越谷市リサイクルプラザ 所長の�M野行正氏 越谷市リサイクルプラザ 所長の�M野行正氏

 現在、全国の自治体が管理するごみ処理施設やリサイクル施設において、不燃ごみやプラスチックごみの中に使用済みリチウムイオン電池が内蔵された製品が紛れ込む「混入廃棄」が増加している。これらの電池は、ごみ収集車での圧縮時や、処理施設での破砕時に強い衝撃や熱が加わることでショートし、発火するケースもある。

 越谷市リサイクルプラザ 所長の�M野行正氏は「越谷市のリサイクル施設自体では、リチウムイオン電池ごみによる火災事故には至っていないものの、近隣の蕨市や戸田市のごみ処理施設などでは類似の火災事故が発生しており、『決して対岸の火事』ではない」と話す。

 また、同市内の一般消費者は使用済みリチウムイオン電池の廃棄場所や回収場所を認識していないため、混入廃棄の原因となっている。

使用済みリチウムイオン電池などの回収体制実証の背景と目的 使用済みリチウムイオン電池などの回収体制実証の背景と目的[クリックで拡大] 出所:越谷市、アンカー・ジャパン、松田産業、電知、ビオストック、NTTテレコン

 そこで越谷市をはじめとする6者は同実証事業を実施するに至った。同事業の実証期間は2026年10月1日〜11月30日で、回収拠点は越谷市リサイクルプラザとAnker Store 越谷レイクタウン(埼玉県越谷市)だ。

実証事業の概要と各社の役割 実証事業の概要と各社の役割[クリックで拡大] 出所:越谷市、アンカー・ジャパン、松田産業、電知、ビオストック、NTTテレコン
アンカー・ジャパン コーポレート本部 品質保証 部長の大塚拓馬氏 アンカー・ジャパン コーポレート本部 品質保証 部長の大塚拓馬氏

 アンカー・ジャパン コーポレート本部 品質保証 部長の大塚拓馬氏は「実証事業開始から5日後の10月5日時点で、Anker Store 越谷レイクタウンのみで103個の使用済みリチウムイオン電池搭載製品が回収された。この店舗における自社製品のみの回収量はこれまで1カ月で約30個程度であったため、わずか5日間で通常の約3倍に跳ね上がった計算になる」と述べた。一方、越谷市リサイクルプラザでは同日時点で、28個の同電池を回収している。

 回収対象は、越谷市リサイクルプラザでは「熱を帯びた製品と膨張品」で、Anker Store 越谷レイクタウンでは「モバイルバッテリーやイヤフォン、電子たばこ(他社製品、膨張品を含む)」としている。

 主な検証内容としては、電知の安全回収容器「DENPOI」を活用した安全な回収や運搬の有効性、住民周知の効果、回収拠点の利用状況、処理/再資源化ルートとなる。

今回の実証の特徴 今回の実証の特徴[クリックで拡大] 出所:越谷市、アンカー・ジャパン、松田産業、電知、ビオストック、NTTテレコン
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