CICMIでは、東北大学の青葉山キャンパスと星陵キャンパスに拠点を設ける(いずれも仙台市青葉区)。同センターでは、質量分析技術のヘルスケアやグリーン領域におけるアプリケーション(分析用途)の開拓と深耕を図る。
異分野融合計測イノベーションセンター長の金子俊郎氏は「日本の勝ち筋は計測にある。政府が推進する日本成長戦略の17分野を見ると、AI(人工知能)/半導体や合成生物学バイオ、創薬/先端医療、マテリアル(重要鉱物/部素材)などが挙げられている。異なる分野のように見えるが、共通する基盤がある。それが計測だ。例えば、創薬の分野では、極微量の化合物などを分離して同定する必要がある。また、病気の早期発見には、極微量のバイオマーカーを捉えなければならない。これらの計測を実現する分析科学やクロマトグラフィー、質量分析、これらは日本が長年技術を蓄積してきた分野だと思う」と話す。
今回、島津製作所と東北大学がタッグを組んだ要因には、東北大学に医学、工学、理学、農学をはじめとする幅広い分野に対応する研究者が在籍している他、先端研究設備を有している点があるという。
金子氏は「つまり、さまざまな分野から『これを測りたい』という最先端の研究ニーズが生まれる。一方、島津製作所は、質量分析やクロマトグラフィーをはじめとする高度な分析/計測技術を有している。研究で生まれた技術を実際の装置にして社会へ届ける実装力もある」と述べた。
また、「CICMIの最初のターゲットは、MALDI-TOF MS質量分析技術の高度化である。そのために、ソフトレーザー脱離イオン化法の技術を次の次元へ高めたい。目標として、『信号対雑音比(S/N比)の3桁向上』、つまり1000倍を掲げている」と強調した。
この目標達成に向けて、CICMIでは、MEMS技術による試料前処理の高度化、イオン化の高度化、そして新規マトリックスの開発を中心にして、質量分析プロセス全体を高度化することで、MALDI-TOF MSのS/N比向上を図る。
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