「スタートアップが産業を変える」 AWSとSTRADVISIONが語るフィジカルAIの進化:組み込み開発 インタビュー(2/3 ページ)

» 2026年09月30日 06時00分 公開
[坪田澪樹,MONOist]

自動運転分野でAWSのソリューションを活用し、躍進するSTRADVISION

STRADVISIONのTaesan Kwon氏 出所:STRADVISION

 グローバルでAIスタートアップの活動が活発になっており、アジア地域においては特に韓国のAIスタートアップの伸長が目立っている。グローバルなAIネイティブ企業/スタートアップの年間平均売上高成長率を比較すると、韓国のAIネイティブ企業は160%とグローバル平均を大きく上回っている。

 今回のメディアツアーで事業概要やAIを活用した最新ソリューションを披露したSTRADVISIONは、AWSが提供するサービスやソリューションを活用し、2014年に韓国で創業してからIPO(新規株式公開)に至るまで成長した。同社は主に自動車向けにAIベースの認識技術を開発/提供しており、AWSのソリューションを通じて事業の成長やAIエコシステムにおけるブランドイメージを確立している。

STRADVISIONとAWSの歩み[クリックで拡大] 出所:AWS

 Kwon氏は「当社は画像認識を専門とする創業者たちによって設立された。韓国企業とのコラボレーションを通じて、当社の強みが画像や動画におけるオブジェクト検出/認識にあると確信し、顧客から非常にポジティブなフィードバックをいただいたことをきっかけに、自動車産業へ本格的に参入することを決めた」と述べる。

 同社はAI認識ソフトウェア「SVNet」を展開し、ADAS(先進運転支援システム)向けの運転支援プロダクトである「フロントビジョン」、駐車支援向けプロダクトである「サラウンドビジョン」、より高度な自動運転(ハンズオフ/完全自動運転向け)のプロダクトであり、2027年以降の展開を目指す「マルチビジョン」をコアプロダクトとして推進している。

 自社ソリューションの強みについて、Kwon氏は「当社の強みは、最適化技術を保有している点だ。コンピューティング要求が高い高精度なAIモデルを保有しながらも、それを軽量化/縮小してどのようなSoC(System on Chip)にも移植/搭載できる。また、データ処理およびデータキュレーションの技術に強みを持っている。いかなるデータセットからでも多様なデータを生成/処理し、パフォーマンスを大幅に引き上げることが可能だ。これらの技術により、当社のソフトウェアは多様な異なるSoCやカメラで動作する」と強調する。

AWSは「国家核心技術」を持つ企業でも安心して活用可能

 AWSのソリューションの強みについて、Kwon氏は「AWSは世界でトップクラスのクラウドサービスを提供しており、当社が要求する膨大なコンピューティングパワーのニーズを満たせる唯一の存在である。AWSが持つクラウドコンピューティングパワーに加えて、AWSのサービスを通じてNVIDIA H200 Tensor Core GPUなどの最新のGPUを活用している」と説明する。

 また、AWSのソリューションを使用する理由として、Kwon氏は「AWSを選んだ理由の1点目は『スケーラビリティ』だ。非常に巨大なコンピューティングリソースを有しているため、当社が追加でコンピューティングパワーを必要とした際に、いつでも即座に供給してくれる」と説明する。

 続けて、「2点目は『規制/セキュリティ対応』だ。当社のコア技術は政府から『国家核心技術』として指定/承認されている。そのため技術やデータ、トレーニング環境を海外のサーバに出すことが非常に厳しく規制されている。AWSは2016年から韓国ソウルにリージョンを開設しており、データ規制や政府のセキュリティ基準を完全に満たすインフラ環境を提供している。ソウルリージョンが存在するからこそ、法令順守を維持しながら事業展開が可能となっている」と語る。

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