なお、半導体の技術転換点として、最先端ロジックで「Gate-All-Around(GAA)トランジスタ」「バックサイド電力供給」、高性能DRAMで「4F2」「3次元DRAM」、高帯域幅メモリで「シリコン貫通電極(TSV)」、先端パッケージングで「ハイブリッドボンディング」、パワーエレクトロニクスで化合物半導体である「炭化ケイ素(SiC)」「窒化ガリウム(GaN)」を挙げている。いずれの技術でもマテリアルエンジニアリングでリーダーシップがとれているという。
Applied Materialsは、半導体の製造装置やプロセスの技術革新/市場展開を目指す新たな取り組みとしてEPIC Centerの建設を進めている。同施設は、スピード感がある共創を可能にする協働プラットフォームで、2026年後半に装置の搬入が予定されており、同年中に稼働を開始する見通しだ。
半導体の製造装置やプロセスの製品化ではこれまで、大学などでの基礎研究に5〜7年をかけて、装置/プロセス開発に2〜3年、モジュール/集積に1〜2年、パイロット生産に1〜2年、量産に1〜2年、合計で10〜16年を要していた。
EPIC Centerでは、基礎研究チームや装置/プロセス開発チーム、モジュール/集積のチームが密に連携する「APPLIED EPICプラットフォーム」を活用することで、手戻りを減らし、量産までの期間を従来のワークフローと比べて30〜50%短縮する。
「エコシステムパートナーとの協働イノベーションに向けたEPIC Centerのクリーンルームの延べ床面積は1万7000m2となる。材料メーカーや大学、もしくは当社が有していないポートフォリオを持つ他社との協業を、EPICセンターの中で行うことにより、半導体の製造装置やプロセスの製品化に要する時間の短縮を目指す」(中尾氏)。
一方、国内外において生成AIを含むAIの使用が普及することで、消費電力が大幅に増え、問題となっている。中尾氏は「国内外におけるデータセンターの電力消費需要は2024年時点で、415TWhになった。2030年にはこの消費電力量と比べて2倍以上の945TWhになると予測されている。945TWhは日本国内における年間消費電力量とほぼ同じだ。消費電力の問題を解消するために、半導体業界はエネルギー効率に優れた性能(Energy-efficient Performance、EEP)を発揮する半導体を開発する必要がある」と指摘した。
その上で、「EEPに向けた半導体3Dアーキテクチャの転換点となる技術が、『GAAトランジスタ』『バックサイド電力供給』『HBM』『垂直トランジスタ』『3次元DRAM』『先端パッケージング』だと考えている。しかし、これらの技術では、新たな材料やプロセス、計測制御の採用、工程間の連携、相互作用の増加、オングストロームレベルの高い精度などに対応しなければならない。高まるこの複雑性に対処するソリューションを当社は提供している」と補足した。
Applied Materialsは2025年に、EEPの転換点を実現する製品として、エピタキシャル成長プラットフォーム「Centura Xtera Epi」、電子ビーム計測装置「PROVision 10eBeam Metrology」、ハイブリッドボンディング装置「Kinex integrated Die-to-Wafer Hybrid Bonding System」をリリースしている。
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