MONOist編集部では「新年展望」企画の一環として、読者の皆さんに2026年の景況感とキーワードを聞く企画を行った。その中で2026年の注目の技術として「AIエージェント」「人型ロボット」「フィジカルAI」などが上位に挙がった。
MONOist編集部では毎年1月、編集部員が過去の取材内容を基に、その年にトピックになると考える事象を紹介する「MONOist新年展望」を実施している。今回は新たな試みとして、読者の皆さんに景況感と注目キーワードを聞く企画を行った。MONOist関連のメールマガジン読者に告知を行い、98人から回答を得た。ここで、回答にご協力いただいた皆さんに感謝を申し上げたい。
回答いただいた方の所属企業は「電気機械・電子部品」業界が35.7%、次いで「食料品・飲料」業界が18.4%、「一般機械器具」が11.2%となっている。今回はメールアドレスなどを取得した厳密な調査ではないため、あくまでもトレンドの参考データとして捉えていただければ幸いである。
さて、2026年の業績見通しを聞いたところ、最も多かった回答は「横ばい」で38.8%を占めた。次いで「やや改善する」が27.6%、「大幅に改善する」が18.4%となっており、どちらかというと2025年に比べ、2026年の方が景況感は上向くと捉えている人が多い結果となった。
「横ばい」の理由には、「好転/悪化する要因が今のところないため」や「業績が良くなる材料が見当たらないが、悪くなる原因も特に思い当たらない。いま、取り組んでいるロボットをフォローしていきたい」など、大きくプラスにもマイナスにも振れる要因が見当たらないとする回答が多かった。
一方で「取引先それぞれに明暗がある」や「改善傾向と悪化傾向の取引先が同等にある」「実際に何が伸びて何が減るか分からない。プラスマイナスで2025年と同じだと思う」とするなど、プラス要因とマイナス要因が相殺され、結果として2025年と同程度になるのではないかと予想する声も目立った。
「改善する」とした理由については「生産量が拡大する見込みがある」や「AIの活発化」「半導体産業の装置メーカーの忙しさから派生」「米国関税に対する対応が明確化し、新興国の経済も回復基調だから」「クライアントがAI関連で2026年は本格的な普及期に入ると見られるから」「金属価格の高止まりと電子材料産業の好調継続」「エレクトロニクス材料の出荷増」とするなど、取引先が好調で既に成長が見えているとした回答が多かった。
具体的に好調が予測される業界として挙がったのは「半導体装置」「電子材料」「AI関連」で、製造業にとってもAI(人工知能)関連でのデバイス需要が大きな期待につながっていることが伺える。
また、2026年の経営課題について聞いたところ、最も多かった回答は「原材料価格、エネルギーコストの高騰対策」となり、48%の回答を集めた。次いで2位は「生産性の向上と自動化」(43.9%)、3位は「人材不足問題/人材育成/技能承継」(41.8%)となり、これらが上位を占めた。また、「新製品/新技術開発/イノベーション創出」(39.8%)、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」(36.7%)も多かった。
これらの回答の理由を見てみると、これらの課題の背景には、3位の「人手不足問題」があることが分かる。2位の「生産性の向上」と5位の「DX」は、この解決のためにやらざるを得ないという状況が要因となっている。実際に「生産性向上が課題、DXも関連し業務効率改善で人材不足、人材育成に対応」「人がいない。コスト削減にはAIやロボットの活用しかありません」など、人手不足に関する危機感を示す声も多く集まった。
人手不足に関しては、他にも「良い人材が集まらず危機的状況」「若手の育成が一番の課題。中堅リーダーが管理業務に追われ、育成に手が回っていない」「継承ができない」「人材不足で供給が間に合わない」「田舎の中小企業には応募がないし、人も来ない」など、切実な声も多くいただいた。
最も多くの回答を集めた「原材料価格、エネルギーコストの高騰」については、2025年の円安などで、輸入素材などの価格が大きく上がったことから、その影響を懸念する声が強かった。「メモリの価格高騰が心配」「原料価格が依然として高止まりになっている。海外との価格差がまた広がった」「日本の原料価格が高い。日本と海外の原料の価格差は広がるばかり」「2025年は原価が高騰し過ぎた」「円安の影響大」など、特に海外との価格差を心配する声が多かった。
一方で、「新製品/新技術開発/イノベーション創出」を経営課題と挙げた回答者からは、「市場が縮小している中で他社との差別化を図るため新市場開拓が必要」「既存製品は堅調だが地政学的リスクを抱えており、一本足打法からの早期脱却が必要」など、既存事業のリスクに対し、新たな柱が必要だとする声が多く出ていた。
また「スタートアップで開発してみようというベンチャー精神のある人が少ない。また知識、経験のある人がチャレンジしてみようという風土がほとんどない。社会的に起業や挑戦することの価値がまだ認知されていないためイノベーションが創造されにくい」など、新規市場創出に挑戦する企業風土や社会風土を問題視する声もあった。
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