NECは、日々の操作ログから業務ノウハウを自動抽出し組織資産化する「cotomi Act」を用いた業務自動化ソリューションを2026年1月から提供する。判断が必要なデジタル業務の自動化を支援する。
NECは2025年12月3日、業務ノウハウを自動収集し、組織で共有可能な形にまとめるエージェント技術「cotomi Act(コトミ アクト)」と、ソフトウェアやコンサルティング、運用保守サービスを組み合わせた業務自動化ソリューションの提供を2026年1月に開始すると発表した。教え込みやマニュアル作成を前提とせず、経費精算や受発注処理などの判断を伴うデジタル業務を継続的に自動化する。
近年、業務プロセスが複雑化し、社員が蓄積したノウハウが属人化しやすく、組織全体での活用が進まない点が課題となっていた。NECはこれらの課題に対し、cotomi Actを活用して業務中の閲覧履歴や操作ログからノウハウを自動抽出し、組織資産として蓄積する仕組みを採り入れた。蓄積データはエージェントが必要な知識として利用し、日常業務を通じた自動学習を可能にする。
cotomi Actは、複雑なWeb操作を評価する国際ベンチマーク「WebArena」で80.4%と高い成功率を示しており、曖昧な指示への対応や複数ステップを伴う業務処理も自動で行える。これにより、判断や状況対応が求められる経費処理や審査業務なども対象にでき、既存の自動化技術では難しかった領域まで対応範囲を広げた。
運用面では、NECが整備してきたAI(人工知能)ガバナンスの枠組みを基に、企業ルールやポリシーを反映した動作設定が可能で、安全性と品質を確保しながら属人化防止にも寄与する。企業固有の業務フローを反映した形で運用できるため、安定した作業品質を維持しやすい。
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