富士通は、食品流通業の共通業務を体系化した「Fujitsu 食品流通 Sync Service」の一部機能を2025年12月より提供する。企業は必要な機能のみを選択して、低コストかつ短期間でシステムを利用できる。
富士通は2025年11月20日、食品流通業の業務システムを構築するための共通機能を体系化したソリューション「Fujitsu 食品流通 Sync Service」の一部機能を同年12月から提供すると発表した。2026年度中には1500以上の機能を段階的に追加する。
食品流通業界では、企業ごとに大規模な基幹システムを保持しており、その導入コストや運用負荷が高いこと、IT人材不足などが課題となっている。そのため、業界共通の非競争領域である業務プロセスやシステムについては、標準化や共通化が求められている。
富士通は長年の基幹システム構築で得た知見を基に、業務で共通化できる要素を整理し、同ソリューションとして体系化した。
Fujitsu 食品流通 Sync Serviceは、これまで企業ごとにモノリシックに構築されていた機能群をマイクロサービスとして再構成し、業務領域を網羅する1500以上の機能として提供する。企業は必要な機能のみを選択して組み合わせることで、コストを抑えながら短期間でシステムを利用できる。
提供形態はSaaS、テンプレートなど多様な方式に対応し、企業の規模や運用に応じて柔軟に導入できる。さらに、取引額に応じて代金を還元するリベートのシミュレーション管理、AI(人工知能)エージェントを活用した運用支援やトラブル対応など、先進的な機能も順次提供していく。
今後は、食品流通業の上流から下流までのデータ連携や、インタフェースおよびマスター情報の共通化など、サプライチェーン最適化に向けた機能強化を進める。また、富士通やパートナー企業の既存ソリューションと連携し、海外展開にも対応する予定だ。
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