ミスミグループ本社は2024年4月12日、部品調達における納期調整や見積もりの時間を短縮するシステム「D-JIT」を発表した。グローバルでのサプライヤー情報をネットワーク化することで、仕組みを構築した。
ミスミグループ本社は2024年4月12日、部品調達における納期調整や見積もりの時間を短縮するシステム「D-JIT」を発表した。グローバルでのサプライヤー情報をネットワーク化することで、仕組みを構築した。同社のECサイト上で利用できるようにする。
D-JITは、ミスミグループ本社が構築した400社超のサプライヤーから成る「サイバーネットワーク」を活用することで、各サプライヤーの最大対応力をリアルタイムで自動積算する独自のアルゴリズムに基づき、瞬時に見積もり対応を行うシステムだ。D-JITという名称には、「デジタル版のJust In Time」を実現するシステム、という意味が込められている。
例えば特定の部品を500点注文したい場合、複数のサプライヤーの情報を連携させて「A社からは100点、B社からは250点、C社からは150点」といった具合に最適な組み合わせを提案し、納期や金額を自動的に算定する。サプライヤーの在庫情報を高頻度でリアルタイム更新しており、可能な限り、提示する最大対応力と実際のキャパシティーに誤差が生じないようにしている。これまで製造業が部品の調達購買に要していた時間や手間を、大幅に削減する効果が見込める。
現在、D-JITはミスミグループ本社のECサイトからユーザーが利用できるようになっている。ユーザーは、注文したい部品の型番などをECサイト上で検索する。すると、その時点での複数のサプライヤーの情報を組み合わせて、最大発注可能な部品点数と、注文点数に対する金額と納期の見積もりを瞬時に提示する。
D-JITの実現に当たっては、ミスミグループ本社の特許取得済み技術である、瞬間でECサイト上で対応可能量を提示する技術も活用されている。これによって要求数量や納期に最適なサプライヤーの組み合わせを提案可能にした。また、複数サプライヤーの在庫量などの算定に適応するため、国内市場での基幹システムを「NEWTON(ニュートン)」と呼ぶ新たなシステムに2024年3月に刷新した。
サイバーネットワークは直近の約2年程度で現在の規模に仕上がった。現時点では、ミスミグループ本社が直接確認などを行った卸を中心に、メーカーや代理店などのサプライヤーがネットワークに参加している。同社 経営執行役 DJシステム推進本部 本部長の木戸雄介氏は「国内だけでなく海外の企業なども参加すると、今後ネットワークの規模拡大の速度は上がっていくと見込まれる」と語る。機械系部品メーカーだけでなく、エレクトロニクスメーカーの参加も視野に入れる。
木戸氏によると、注文する部品の点数が大量である場合は部品表からコピーアンドペーストして流し込める仕組みなどを現在検討しているという。
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