東芝は、AIに対する理念を7つの観点でまとめた「東芝グループAIガバナンスステートメント」を発表した。同ステートメントを基盤として、人材育成や、MLOpsにAI品質保証の仕組みを取り入れるなどして、信頼できるAIシステムの開発、提供、運用を推していく方針である。
東芝は2022年8月30日、AI(人工知能)に対する理念を7つの観点でまとめた「東芝グループAIガバナンスステートメント」を発表した。同ステートメントを基盤として、人材育成や、MLOps(Machine Learning Operations:機械学習オペレーション)にAI品質保証の仕組みを取り入れるなどして、信頼できるAIシステムの開発、提供、運用を推していく方針である。
今回発表したAIガバナンスステートメントは、東芝グループの理念体系のうち、経営理念の「人と、地球の、明日のために」や存在意義として規定する「新しい未来を始動させる」を反映した前文と、価値観として掲げる「誠実であり続ける」「変革への情熱を抱く」「未来を思い描く」「ともに生み出す」に対応する7つの観点から構成されている。東芝 執行役員 技術企画部 AI-CoEプロジェクトチーム リーダーの堀修氏は「AIは強力なツールだが、安心安全に使うためのルールが必要だ。今回のAIガバナンスステートメントは、日本政府のガイドラインを読み込んだ上で策定した。欧州で策定が進む厳しいAIシステムへの法規制にも耐え得るものだと考えている」と語る。
東芝は2019年ごろからAIの社会実装の促進に必要なAIガバナンス構築の取り組みを進めてきた。2022年4月には、同社グループ横断でAI試作を先導するAI-CoE(Center of Excellence)プロジェクトチームを組織して、AIに対する理念を明文化することを目的に今回のAIガバナンスステートメントの策定に至った。
東芝のAIガバナンスは、同ステートメントを基盤として、これまで積み重ねてきたAI人材育成の施策と、これまで注力してきた機械学習の開発運用基盤であるMLOpsにAI品質保証を組み入れて継続的にAIシステムの品質を保つ仕組みの整備、AI技術カタログなどで見える化された東芝グループが保有するAI技術の資産などから構築されている。そして、AIガバナンスが確実に推進されることで、信頼できるAIシステムの開発、提供、運用が可能になるという考えだ。
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