パナソニックの「空質」と「空調」が満を持して一体化、2025年度に売上高1兆円へ製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

パナソニック 空質空調社が、2022年度からのパナソニックグループの新たな事業体制下における同社の事業戦略を説明。新たなブランドスローガンとして「空気から、未来を変える」を掲げるとともに、これまでそれぞれで先鋭化を進めてきた空質事業と空調事業の連携を深めることで2025年度の売上高1兆円の達成を目指す。

» 2022年02月01日 06時30分 公開
[朴尚洙MONOist]
パナソニック 空質空調社の道浦正治氏 パナソニック 空質空調社の道浦正治氏

 パナソニック 空質空調社は2022年1月31日、オンラインで会見を開き、2022年度からのパナソニックグループの新たな事業体制下における同社の事業戦略を説明した。新たなブランドスローガンとして「空気から、未来を変える」を掲げるとともに、これまでそれぞれで先鋭化を進めてきた空質事業と空調事業の連携を深めることで2025年度の売上高1兆円の達成を目指す。

 空質空調社は、2022年4月に「パナソニック株式会社」として発足するくらし事業本部傘下の社内カンパニーである。これまで、旧松下電器産業の中で成長してきた空調事業と、子会社の旧松下精工(現パナソニック エコシステムズ)が手掛けてきた空質事業は、同じ空気や水を扱う事業組織ではあるものの、それぞれ独自に事業を先鋭化させてきた歴史がある。

パナソニックの空質事業と空調事業の沿革 パナソニックの空質事業と空調事業の沿革[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 直近でも、空調事業はアプライアンス社、空質事業はライフソリューションズ社の管轄だった。開発、製造、販売も分かれており、顧客接点も分散していたが、空質空調社として一体になることで、開発、製造、販売の方向性を一元化し、顧客接点も一本化できる。パナソニック 空質空調社 社長の道浦正治氏は「コロナ禍もあって、より良い空気質を求める顧客の要求はさらに高まっている。これまでそれぞれで先鋭化してきた技術をベースに、両事業の連携から新たな価値を提案していける体制を構築していく」と語る。

空質空調社設立の狙い 空質空調社設立の狙い[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 空質、空調両事業が一体になることで、世界各国の拠点も効率的に運用できるようになる。空質空調社としては「空気浄化」「調湿・水浄化」「省エネ」「センシング」といった独自のコア技術を強みとした高付加価値ソリューションの展開を強化していく方針を掲げており、それらのソリューションの注力市場として日本、中国、欧州、北米を挙げる。これらの4つの市場は、製造開発と販売エンジニアリングの拠点を有しており「地産地消の形で、市場のニーズに応える製品展開が可能になる」(道浦氏)という。

空質空調社のコア技術 空質空調社のコア技術[クリックで拡大] 出所:パナソニック
空質空調社の主要拠点 空質空調社の主要拠点[クリックで拡大] 出所:パナソニック
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