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» 2022年01月27日 09時00分 公開

量子コンピュータ活用でトラック運搬ルート計画を最適化、実証実験実施量子コンピュータ

グルーヴノーツは2021年1月17日、清水建設と共同で、量子コンピュータをはじめとするICTを用いてダンプトラックによる建設発生土の運搬計画を最適化する実証実験を行ったと発表した。

[池谷翼,MONOist]

 グルーヴノーツは2021年1月17日、清水建設と共同で、量子コンピュータをはじめとするICT(情報通信技術)を用いてダンプトラックによる建設発生土の運搬計画を最適化する実証実験を行ったと発表した。グルーヴノーツの量子コンピュータを活用できるクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」を用いて、トラックのルート計画を作成する。

 高速道路やトンネル、ダムなど、土砂の搬出入量が膨大な建設現場では、運搬作業の効率が工事全体の進捗を大きく左右する。搬出入ルートが複数ある場合には、ダンプトラックに日ごとで異なるルートを割り振って運搬していた。しかし、この方法だと突発的な渋滞などへの対応が難しく、状況に応じたリアルタイムなルート選択が課題になっていた。

実証実験の概要[クリックして拡大] 出所:グルーヴノーツ

 そこで同社は運搬効率を改善するため、2020年3月からグルーヴノーツと共同で土砂運搬計画に関する実証プロジェクトを開始した。プロジェクトでは、土木工事においてダンプトラックが土砂の搬出場所と搬入場所、一部は待機場所を経由して行き来する際に、それぞれの場所での運搬条件や各ルートの混雑具合などを踏まえてタイムロスの最も少ないルートを導き出す。ルート計画は、清水建設の工事現場で稼働するダンプトラック約40台についてMAGELLAN BLOCKSで計算して作成した。

 具体的には、ダンプトラックに搭載したGPSのログデータを基にルートごとのダンプトラックの走行車数や速度、滞留時間、ダンプトラックと土量の稼働率などの分析をMAGELLAN BLOCKSで行い、顕著な低速運行エリアなど滞留状況を可視化した。こうした滞留状況や運搬条件を考慮して、最適なルートを探索する量子コンピュータモデル(イジングモデル)をMAGELLAN BLOCKSで構築して、量子コンピュータマシンを通じて検証を行った。その結果、走行台数を変えることなく1日当たりの運搬量を約10%増加できることが確認されたという。これによって建設現場の生産性が向上し、この他にもCO2排出量の削減や渋滞緩和効果も見込まれるという。

MAGELLAN BLOCKSの導入効果 出所:グルーヴノーツ

 現在はMAGELLAN BLOCKSでGPSデータやナビデータなどをリアルタイムに取得して、実際の道路交通状況を加味した最適なルートをドライバーに指示する走行実証を行っている。今後はドライバーへのルート通知方法などについて検討して、本番適用に取り組むとしている。また、建設現場においてもMAGELLAN BLOCKSの活用を進める計画だ。

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