JEITA(電子情報技術産業協会)は2021年12月17日、東京都内で会見を開き、2022年の電子情報産業の世界生産見通しに加えて、カーボンニュートラルの実現に向けてデジタル分野が貢献するCO2削減ポテンシャルと世界需要額見通しを発表した。
JEITA(電子情報技術産業協会)は2021年12月17日、東京都内で会見を開き、2022年の電子情報産業の世界生産見通しに加えて、カーボンニュートラルの実現に向けてデジタル分野が貢献するCO2削減ポテンシャルと世界需要額見通しを発表した。
JEITAは年末恒例の会長会見で、電子情報産業の世界生産見通しの他、その年の注目分野に関する動向調査の結果も発表している。2019年は「5G」、2020年は「ITリモート」だったが、2021年は2020年後半に政府が2050年の達成目標を掲げた「カーボンニュートラル」がテーマとなった。JEITA 会長を務める東芝 代表執行役社長CEOの綱川智氏は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、デジタル化が猛烈な勢いで進展しつつある。デジタル化は、スマートフォンを中心としたB2C分野のみならず、教育とB2Bの分野にも浸透してきた。では次のデジタル化の地殻変動となるのは何か。それはカーボンニュートラルだと認識している。カーボンニュートラル実現の鍵はデジタルを組み合わせることにある。『グリーン×デジタル』だ。カーボンニュートラルはわれわれにとってチャンスになる」と語る。
まず、電子情報産業の世界生産見通しについては、2021年が前年比11%増の3兆3602億米ドルとなる見込み。ITリモートなどのデジタル化の進展や巣ごもり需要により、テレビやスマートフォン、サーバなどが高成長となり、テレビの大画面化、データセンターの増強などを背景とした電子部品/デバイスの伸長、データ活用の高度化などによるソリューションサービスの増加が寄与し大きく伸長した。2022年も、前年比5%増の3兆5366億米ドルとなり、過去最高を更新する見通しである。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大への不透明感は残るものの、各国での感染拡大防止やカーボンニュートラルの観点から、ITリモートや5Gなどのデジタルインフラ整備などの投資が進み、ソリューションサービスや通信機器の需要の拡大と伸長が期待できるとしている。
海外生産分を含む日系企業の世界生産額については、2021年が前年比8%増の37兆3194億円となる見込みだ。2021年の電子工業の国内生産額についても、同11%増の10兆9322億円で、2017年以来となる4年ぶりのプラスに転じると予測している。2022年も続伸して、日系企業の世界生産額が同2%増の38兆152億円、電子工業の国内生産額が同2%増の11兆1614億円となる見通しである。
ただし長期的傾向としては、世界生産において日系企業が占める割合の低下は続いていおり、2011年の19%から2021年は10%にまで下落することになる。これは、海外企業との競争激化によるシェア低下や、インターネットでの動画配信サービスに普及によるAV機器分野の市場自体の縮小、世界で高成長のスマートフォンやソリューションサービスの分野で日系企業の伸びが低いことなどが理由として挙げられる。
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