ソナスは、「ワイヤレスジャパン2021」において、同社独自のIoT向け無線規格「UNISONet」を用いたIoT機器開発向けの無線通信モジュールと、IoTゲートウェイやIoT機器開発プラットフォームへの同モジュールの実装例を披露した。
ソナスは、無線通信技術の展示会「ワイヤレスジャパン2021」(2021年6月2〜4日、東京ビッグサイト青海展示棟)において、同社独自のIoT(モノのインターネット)向け無線規格「UNISONet」を用いたIoT機器開発向けの無線通信モジュールと、IoTゲートウェイやIoT機器開発プラットフォームへの同モジュールの実装例を披露した。
「UNISONet」の無線通信モジュールの展示。展示前側は、左から、無線通信モジュール向けのブレークアウトボードと開発ボード、無線通信モジュールの2.4GHz版、920MHz版、展示後側は、左から、ぷらっとホームの「Open Blocks IoT VX2/EX1」、センチュリー・システムズの「FutureNet XG-B50」、ソニーの「SPRESENSE」にUNISONetの無線通信モジュールを搭載したもの(クリックで拡大)UNISONetは、「同時送信フラッディング」という転送方式を採用することで「安定」「省電力」「高速」「双方向低遅延」「データロスレス」「ネットワーク内時刻同期」「ネットワーク内多数収容」といった従来の無線通信では難しかった機能を同時に実現している、マルチホップ無線である。
同社はこれまで、UNISONetの事業を進める上で、無線通信モジュールと加速度センサーなどのセンサーを組み合わせたセンサーユニットやシステムインテグレーションサービスを提供する形で展開してきた。その一方で「通信技術としてのUNISOnetを自社製品に組み込みたい」という顧客からの要望も増えていた。そこで、2021年2月に発表したのが今回展示した無線通信モジュールだ。
無線通信モジュールは、使用周波数が2.4GHz帯の「UNISONet Claasic」と920MHz帯の「UNISONet Leap」、それぞれに対応するラインアップを用意した。技適認証取得済みであり、920MHz版はSAWフィルターを内蔵している。UARTコマンドで操作できる他、ソフトウェア開発を行うためのインタフェース仕様を公開している。ユニット設計に必要なコネクターやインジケーターを装備する開発ボードと、無線通信モジュールへのアクセスをピンヘッダで実行できるブレークアウトボードも用意している。「文書で公開しているインタフェース仕様を活用してもらえば、UARTでRaspberry Piなどの汎用的な開発ボードとつなげてPoC(概念実証)を行えるだろう」(ソナスの説明員)。
今回の展示では、ぷらっとホームのIoTゲートウェイ「Open Blocks IoT VX2/EX1」やセンチュリー・システムズの通信機器開発ボード「FutureNet XG-B50」、ソニーのスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE」に、UNISONetの無線通信モジュールを組み込んだものを参考出展した。「B2Bでの展開拡大を考えると、汎用的な開発ボードだけでなく、IoT機器を用いた製品やサービスに広く用いられているこれらの開発プラットフォームで利用できることを示す必要がある。今後も連携を深めていきたい」(同説明員)としている。
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