日本テラデータは2021年4月22日、同社が参画したグローバルアライアンス「オープン・マニュファクチャリング・プラットフォーム(OMP)」についての説明と同社の製造業向けデータ基盤についての紹介を行った。
日本テラデータは2021年4月22日、同社が参画したグローバルアライアンス「オープン・マニュファクチャリング・プラットフォーム(OMP)」についての説明と同社の製造業向けデータ基盤についての紹介を行った。
米国Teradata(テラデータ)では2021年2月23日にOMPへの参画を発表している。OMPとはBMWグループとマイクロソフトが共同で創設したグローバルアライアンスである。Linux Foundation傘下のJoint Development Foundationの支援を受け2019年に設立され、オープンな業界横断的なコラボレーションにより、知識とデータの共有を推進し、製造業界のイノベーション加速を目指すとしている。
OMPはもともと、BMWグループが既に展開している独自のIoTプラットフォームが基盤となっている。BMWグループのIoT基盤では現在3000台以上の機械やロボット、自律搬送システムが接続され、この基盤をベースに工場などの運用を行っている。これらの実績をベースとして、標準的な技術により、外部企業でも利用可能としたのが「OMP」となる。
マイクロソフトのクラウド基盤である「Microsoft Azure」上に構築され、データモデルを標準化するように設計されており、今まで独自のシステムで管理されていたデータの分析や機械学習を可能とする。産業用ユースケースとサンプルコードを活用することで、コミュニティーメンバーやその他のパートナーは、自社データへの管理権限を保ちつつ、サービスやソリューション開発が容易に行えるとしている。
テラデータはこのOMPのコミュニティーに参画し、データ基盤構築に貢献する。具体的には「製造業リファレンスアーキテクチャ」の構築と、「セマンティックデータストラクチャリング」を行う。日本テラデータ ビジネスコンサルティング事業部 マネージャー・ビジネス・コンサルタントの矢野寛祥氏は「テラデータでは既に自動車メーカーにおいてデータ基盤のアーキテクチャ構築を行った実績がある。こうした知見を生かして製造業のデータ基盤におけるリファレンスアーキテクチャ構築を目指す。また、データは、理解可能な形として、可視化していないと活用することができない。データモデルの標準化などを行うのがセマンティックデータストラクチャリングである」と語っている。
テラデータでは、データ基盤構築のさまざまな実績を持つ。日本テラデータ エンタープライズ・テクノロジーセールス事業部 シニア・ソリューション・エンジニアの田中修氏は「データ構造にかかわらずビジネスに関する全てのデータを対象とでき、データ構造に適した格納方式が選択できることが特徴だ。また、これらを組み合わせて分析できる」とテラデータの強みについて語っている。
こうした製造業のデータ基盤構築の動きは国内でも広がる見込みだ。「既に欧州ではフォルクスワーゲン(VW)やBMWなどが共通データ基盤の構築に取り組んでいる。日本の自動車メーカーからの関心も高い。また、VWやBMWには日本のサプライヤーや物流メーカーも取引があるケースもあり、このデータ基盤プラットフォームに参画する必要がある場合も出てくる。これらの支援なども行う」(矢野氏)としている。
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