特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2020年04月20日 11時00分 公開

CPSの勝ち筋とは? “サービス連打”を目指す東芝の挑戦製造業×IoT キーマンインタビュー(2/4 ページ)

[三島一孝,MONOist]

産業IoT領域のオピニオンリーダーに

MONOist こうした土壌を変えていくことも役割としてはあるのですか。

山本氏 もちろんこうした組織の体制や土壌を変えるということも役割の中には含まれるが、優先順位は低い。最も大きな役割は「東芝をどうすれば安定軌道に乗せることができるのか」ということで、そのための技術基盤を構築することが最大のミッションだ。

 現在私は「コーポレートデジタイゼーションCTO」と「デジタルイノベーションテクノロジーセンター長」の2つの役割を担っている。

 「コーポレートデジタイゼーションCTO」としての役割は、デジタル化において社内外にビジョンを示すことだと考えている。特に国際社会への発信を積極的に進めていくことを考えている。国際標準に貢献すると共に、東芝が産業用IoT領域でオピニオンリーダーの立場を確立できるようにしていきたい。具体的には、グローバルでの産業用IoTの普及促進を図る「Industrial Internet Consortium(IIC)」のアーキテクチャの中に東芝の提案を組み込むための活動や、海外イベントでの情報発信などの活動を行っているところだ(※)

(※)関連記事:日本発世界へ、IVIと東芝がハノーバーメッセ会場で日本の成果を披露

 一方で「デジタルイノベーションテクノロジーセンター長」としての役割は、こうしたビジョンを「実行」する技術的な基盤を作る役割になる。東芝では現在「CPSテクノロジー企業」となることを軸に取り組みを進めているが、そのCPSにおけるデジタル基盤の確立が大きな役割となる。

独自のアーキテクチャと12のサービスの実装

MONOist 2018年に「Toshiba IoT Reference Architecture」を打ち出し、2019年にはこれをベースとしたサービスの実装を進めてきました。「技術基盤の確立」という意味でのここまでの進捗をどう振り返りますか。

山本氏 もともとCPSを推進するにはアーキテクチャが必要だと考えていた。2018年に東芝に入ってからすぐにアーキテクチャの構築に取り組み「Toshiba IoT Reference Architecture」を打ち出した。各カンパニーの技師長クラスなど技術面でのキーマンに参加してもらう「アーキテクチャボード」を作り、毎月アーキテクチャの中身について話し合っている。2020年にはこれを海外拠点にも広げ、グローバルで進めていく体制を作った。

 「Toshiba IoT Reference Architecture」はCPSを展開していく上での基本的な枠組みを決めるものである。エッジ、プラットフォーム、エンタープライズサービスという3つのティアから成るアーキテクチャで、コントロール、データ、アナリティクス、オペレーション、サービス、ビジネス、システム・オブ・システムズという7つのコンポーネントを割り当てている。各コンポーネントの中にそれぞれに必要な技術要素を当てはめてサービスやソリューションを構築する。この「Toshiba IoT Reference Architecture」をベースに、12のサービスを実装するための取り組みを進め、順次リリースをしているところだ。

photo 東芝が示す参照アーキテクチャ「Toshiba IoT Reference Architecture」(クリックで拡大)出典:東芝

共通データ基盤「ハバネロ」の価値

MONOist サービスの実装に向けて重要になるデータ基盤の開発も進めています。

山本氏 CPSにおける「データ」の収納および分析基盤となる、共通データプラットフォームとして「Habanero(ハバネロ)」の設計と開発を進めている。データ基盤をそれぞれのカンパニーで共有して活用することで東芝グループ内の開発運用コストの削減とサービスビジネスの競争力強化を図りたい。

 「ハバネロ」は基本的には、データを集める基盤を作り、そこにデータを収集し、それを分析や解析するアルゴリズムを作ってフィードバックする仕組みで、それほど変わったことをしているわけではない。ただ、データ基盤はCPSでさまざまな価値を創出するのに必須のものである。実装を進める12のサービスの中でも「ハバネロ」を使いたいというところが増えてきており、現状でも半数以上がサービスに採用する計画となっている。

photo 共通データプラットフォーム「Habanero(ハバネロ)」のイメージ(クリックで拡大)出典:東芝

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