東京都立産業技術研究センターと東京ビッグサイトは、東京ビッグサイトの施設内で「運搬」や「清掃」など4種のサービスロボットの実証実験を開始する。専用のロボット連携管理システムを構築し、開発企業が異なるロボットを同時に運用する。
東京都立産業技術研究センター(都産技研)と東京ビッグサイトは2019年11月19日、「運搬」「清掃」「案内」「警備」の4種のサービスロボットの実証実験を開始すると発表した。
実証実験に用いる4種のロボットの動きは、東京ビッグサイトで作業をしている人からのヒアリングを基に、作業の効率化や作業者側からのロボット利用のしやすさを踏まえて決定した。4種のロボットの実験内容や開発元は以下の通り。
「サウザー」は、Doogが開発した、人を認識して追従する運搬ロボットだ。現在、東京ビッグサイトで出た廃棄物は、スタッフが台車を用いて運搬しているが、この作業をサウザーが代替することで、運搬作業の負担を軽減する。
清掃ロボット「Debris(デブリ)」は、筐体を都産技研が、ソフトウェアをセックが開発した自立走行型のドライ清掃ロボット。実証実験では、約170mの通路を4ブロックに分け、清掃員の代わりにロボットが清掃する。
「Siriusbot(シリウスボット)」は、東京ビッグサイトのエントランスホールで、施設や周辺観光について案内する。4言語(日、英、中、韓)に対応し、同ロボット上部のタッチディスプレイに加え、大型ディスプレイとの連動も可能だ。Siriusbotは08ワークス、日本ユニシス、パルコ、都産技研が開発に携わった。
同じくエントランスホールに配置される警備ロボット「Peruseusbot(ペルセウスボット)」は、日中は立哨警備を、夜間には巡回警備を実施する。警備中であることを音声で知らせて防犯効果を高め、不審な人物や物を検知した場合は、警備スタッフに通報する仕組みとなっている。日本ユニシス、西武鉄道、アースアイズ、都産技研が開発した。警備ロボットの実験開始は、同年12月を予定している。
今回の実証実験では、開発企業が異なるロボットを複数同時に運用するため、専用のロボット連携管理システムが構築された。同システムにはTISの「RoboticBase(ロボティック・ベース)」が用いられており、導入や運用もTISが担う。
実験を通じて、ロボットを実務に取り入れた場合のメリット、デメリットを確認しつつ、既存システムと連動しやすくすることで、ロボットの導入を容易にする環境づくりを目指す。
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