リコーが音響通信ベンダーと資本業務提携、通信が困難な空間でも情報提供製造マネジメントニュース

リコーは2019年9月30日、エヴィクサー(東京都中央区)と資本業務提携で合意したと発表した。リコーがエヴィクサーに対して、出資比率約7%に相当する1億円を拠出した。

» 2019年10月01日 08時30分 公開
[松本貴志MONOist]

 リコーは2019年9月30日、エヴィクサー(東京都中央区)と資本業務提携で合意したと発表した。リコーがエヴィクサーに対して、出資比率約7%に相当する1億円を拠出した。エヴィクサーが得意とする音響通信技術を活用し、電波の不感地帯などでも使える情報提供サービスの確立を進める。

 エヴィクサーの音響通信技術「Another Track」は、非可聴音(透かし音)を搬送波として遠隔の機器にデジタルデータを伝達する。通信に電波を用いず、既存の音響設備を活用してスマートフォンやスマートグラス、コミュニケーションロボットなどにデータ伝送ができる。同技術はスタジアムやアリーナでのファンサービスや、伝統芸能での字幕表示、映画の盛り上げ演出などで採用実績がある。

競技会場における実証実験の例。場内放送に透かし音を埋め込み、専用アプリをインストールしたスマートフォンにデータを伝送する(クリックで拡大) 出典:リコー

 リコーとエヴィクサーはこれまでにも、音響通信ソリューションの共同開発と実証実験を進めており、今回の資本業務提携でビジネスモデルの検討を進める構えだ。屋内外の施設や地下施設など、通信線路や電波が届きにくい空間の情報提供サービスやセンシングソリューションへの活用を目指す。

 事業化の時期については「まだ先のステップ」(リコー広報)としつつも、「早期の実用化を目指す」としている。

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