Oracle(オラクル)はハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、ここ数年強化してきた産業用IoT向けのアプリケーションが成熟してきたことを強調。これらのアプリケーションにAI(人工知能)関連技術やブロックチェーンなど先進技術で産業の変革を推し進める方針を示した。
Oracle(オラクル)はハノーバーメッセ2019(2019年4月1〜5日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、ここ数年強化してきた産業用IoT向けのアプリケーションが成熟してきたことを強調。これらのアプリケーションにAI(人工知能)関連技術やブロックチェーンなど先進技術で産業の変革を推し進める方針を示した。
オラクルは2018年のハノーバーメッセで初出展したが今回も引き続き出展。インダストリー4.0や産業用IoTの現状について、オラクルのインダストリービジネスユニットのバイスプレジデントであるJohn Barcus(ジョン・バーカス)氏は「産業用のアプリケーションは成熟化してきたという印象だ。従来はコンセプトや実証レベルのものが多かったが、実際に使えるレベルのものが増えてきている。われわれのアプリケーションやソリューションもより洗練されたきた。産業向けのチーム自体も強化している他、パートナーなども広がっている」と手応えについて語っている。
実際にハノーバーメッセ2019でも、ブース内で、アクセンチュアや、Bosch Rexroth、BiSTel、Esentri、FESTO、Inspirage、三菱電機、PROMATISなどのパートナー企業との協力で各種アプリケーションをアピールした。
同社では産業用IoT向けアプリケーションとして、設備管理を行う「IoT Asset Monitoring Cloud」、生産情報の遠隔監視を実現する「IoT Production Monitoring Cloud」、サプライチェーンにおけるモノの移動を管理する「IoT Fleet Monitoring Cloud」、従業員管理を行う「IoT Connected Worker Cloud」、サービス管理を行う「Service Monitoring for Connected Assets Cloud」などを展開しているが、これらについてもそれぞれで先進技術を取り込んだ機能進化が進んでいるという。
1つが、ブロックチェーンの活用である。トレーサビリティー確保において、物流トラックや個々のパレットの移動情報などは重要な意味を持つ。これらはそれぞれにデータ受発信用のIoTデバイスを搭載し、これらのデータを「IoT Fleet Monitoring Cloud」などで管理することで、活用することが可能になるが、一方でセキュリティの問題が生まれる。
移動し続けるこれらのデバイスからのデータ収集では、セキュリティ確保が難しい局面も生まれる。そこで、ブロックチェーン技術を活用し、セキュアにこれらの物流情報を得られるようにするというものである。「これらはすぐにでも活用できる状況である。サプライチェーンにおいて、物流の管理は重要なポイントとなるが、それを従来以上に詳細に管理することで、新たな効率化や競争力を生み出すことが可能になる」とバーカス氏は訴える。
もう1つが、AIとの連携である。オラクルでは産業用IoTアプリの展開の中で強みとして訴えるのが従来強みを発揮する既存のERPシステムなどとの連携である。業務情報とIoTで取得した現場情報を組み合わせてKPI(主要業績評価指標)などを設定し、業務改善を図ることなどが可能となるが、膨大な情報を組み合わせて最適なデータを結び付けるにはノウハウが必要になる。
そこで、これらのデータ活用を円滑に行うために、これらのアプリケーションやERPにAIを適用し、簡単に最適なデータを選択し最適な価値を生み出せるようにしていくという。「2018年の段階ではこれから進めていくという話だったが、現実的に活用できるレベルになってきた」とバーカス氏は語っている。
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