川金ホールディングスは2019年2月7日、同社子会社で発生した免震・制振用オイルダンパーの不適切検査事案について、調査報告書と再発防止策を発表した。調査報告書では免震・制振用オイルダンパー事業に対する当時の経営判断や開発体制など多くの問題点が指摘され、現場が不正を犯す背景が浮き彫りとなった。
川金ホールディングスは2019年2月7日、同社子会社で発生した免震・制振用オイルダンパーの不適切検査事案について、調査報告書と再発防止策を発表した。調査報告書では免震・制振用オイルダンパー事業に対する当時の経営判断や開発体制など多くの問題点が指摘され、現場が不正を犯す背景が浮き彫りとなった。
同事案は2018年10月23日に公表された。対象となる免震・制振用オイルダンパーは光陽精機が製造し、川金コアテックが販売するもの。同年12月26日に改めて公表された、国内向けに出荷された不適合品は免震用オイルダンパーが6本(物件数は4件)、制振用オイルダンパーが1516本(物件数は90件)となる。
光陽精機で生産される免震・制振用オイルダンパーは、製品組み立ての後に組み立て検査、性能検査と続き、各種試験を通過したものが塗装後に出荷される。不適切検査が行われたのは性能試験の段階で、ダンパーに加振試験を行い得られた減衰力実測値が基準値を超えた場合、基準値に収まっていても検査成績書に記載される変位−減衰力線図の波形がいびつな場合などに検査データ改ざんが行われた。
光陽精機で免震・制振用オイルダンパーの検査業務に携わっていた5人(下図A〜E)が不適切検査の実行者となった。このうち、C以外の人物は不適切行為の存在を認識しており、Cは既に退職済みであったため調査ができなかった。
また、性能検査成績書の照査と承認を行う上位者は不適切行為の存在を認識しうる立場におり、実際に照査、承認の経験者のうち1人が不適切行為の存在を認識したとの証言があった。その他の光陽精機役職員や川金ホールディングス、川金コアテックの役職員に関しては、不適切行為の存在を認識していた形跡がないとする。
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