OKIエンジニアリングは、欧州環境規制の改正RoHS指令に対応した分析法の国際規格「IEC62321」に準拠する全ての分析法で、製品に含まれるフタル酸エステル類など10物質の成分分析受託サービスを開始した。
OKIエンジニアリングは2018年7月25日、欧州環境規制の改正RoHS指令に対応した分析法の国際規格「IEC62321」準拠の4つの分析法で、フタル酸エステル類など製品に含まれる10物質の成分分析受託サービスを開始した。標準価格は1検体当たり4万5000円から。欧州向け製品を輸出する企業を対象とし、年間1000万円の販売を目指す。
現在、企業が欧州で電気・電子機器を展開する際は、特定有害物質の使用を制限する改正RoHS指令に準拠する必要がある。2019年7月22日以降は、フタル酸エステル類の4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が追加され、計10物質が規制対象となる。フタル酸エステル類は、電線被覆材や電気絶縁テープ、梱包材、接着剤などに使用されており、企業はこれらの規制物質の含有有無の検査が必要となる。
IEC62321で規定されたフタル酸エステル類の分析法には、イオン付着質量分析法(IA-MS法)、液体クロマトグラフィー分析法(LC-MS法)、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析法(Py/TD-GC/MS法)、詳細分析法(GC-MS法)がある。同社はこれまでIA-MS法、LC-MS法、GC-MS法を提供していたが、今回新たにPy/TD-GC/MS法の分析サービスを追加。IEC62321で規定された分析法全てに対応した。
Py/TD-GC/MS法では、同じ質量数の規制外物質が存在した場合でも、含有識別が行える。分析に必要な試料重量も、他の方法の約10mgに比べて約0.5mgと少なく済むという。同社は、対象品からの試料の採取や、規制10物質それぞれに適した分析方法を提案可能だとしている。
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