パナソニックは創業100周年を迎え、新たな家電戦略である「家電ビジョン」を発表した。今までの100年間で培ってきた総合家電メーカーとして強みに加えて、パートナーとの共創による新たな価値提案を特徴とする。
パナソニックは2018年3月1日、新たな家電戦略「家電ビジョン」について発表した。創業100周年を迎え、総合家電メーカーとしての強みに加えて、パートナーとの共創による新たな価値提案を軸とし、次の100年に踏み出す。
パナソニック 代表取締役専務で家電事業を担当するアプライアンス社社長である本間哲郎氏は「ライフスタイルやコミュニティーが変化する中で、ホーム(家庭)から新しい暮らしの喜びを届けたい。そのため、これまでの個別に機能を提供する家電のみにとどまらず、個々の家電が連携しながら、それぞれの生活シーン、空間に合わせた体験を提供する。それを家という空間を超えてコミュニティー、ソサエティーとも連携するものに進化させる」などと抱負を語った。
この実現のために、同社では各分野の専門企業との協業を強化し、さらなるイノベーションを加速する方針を示す。今回は、寝具メーカーの西川産業、NTTドコモ、ベンチャーキャピタルの米国Scrum Ventures(スクラムベンチャーズ)との共創を行うことを紹介した。
西川産業とは、快適な睡眠環境サポートを目的とした睡眠関連サービスの共同開発を開始する。「良い睡眠は健康や美容にも欠かせないものとなっている。睡眠に悩む人も増えており、良い眠りを得るためには体に合った寝具や、一日の過ごし方、寝室の環境づくりも重要な要素になっている。そこで共同で理想の睡眠環境を届けるプロジェクトをスタートする」と本間社長はその狙いを話した。
睡眠科学やライフサイエンスの視点から寝具の開発を行い、眠りの知見を有する西川産業と、寝室環境で重要な要素である温度、湿度、照明、音響などの機器ネットワーク制御技術を有するパナソニックとの両社で、睡眠環境をサポートするサービスの開発に取り組む。具体的には日中の活動データ、くらしデータ、睡眠データなどから快眠アルゴリズムを開発し、個々の快適な眠りに寄り添う睡眠関連サービスを提供する。また、睡眠関連サービス提供に向け、快眠アルゴリズムの開発実証実験を行う予定だ。さらに、睡眠を軸にした美容や食、教育などのさまざまな領域でのサービスの開発を目指しており、「2018年度内に、どんどん商品化して世に問うていきたい」(本間社長)と、早期に具体的な成果を上げることに意欲を見せた。
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