続いては過去最多の5回の総合優勝を果たすも、ここ数年はエンデュランスの完走間近でマシントラブルに見舞われるなど、思うような成績を残せずにいる上智大学。今年もゼッケンナンバー29という軽くはないゼッケンを車体にまとっての出場です。ドライバーの遠藤貴郁さんにお話をお聞きしました。
S 今年の成績はいかがでしたか?
遠藤さん(以下E) 今年は結構いいんです。静的ではデザインが6位、去年はあまり走れなかった動的もスキッドパッドが2位、アクセラレーションで単気筒1位、オートクロスが全体で5位、エンデュランスのファイナル6に残れました。
S 素晴らしいじゃないですか! エンデュランスはどうだった?
E それが……。2周目でエンジンが止まり、再始動できずに1分ルールでリタイアとなりました。でもうちのオープニングラップがどのチームよりも早かったんですよ!
S じゃあ、そのまま走っていたら、最速ラップ、いや、総合優勝も見えてきてたね。
E そうなんですよ。自分が運転していたのですが、ブレーキング時にホイールをロックさせてしまいエンジンストール、そこからの再始動ができませんでした。昨日までは本当に調子がよくて……、なぜ最後の最後にトラブルが出るのか……。悔しさの残る大会でした。
S 単気筒の熱間始動性の問題ですね……。レギュレーションで最大排気量が変わったけど、来年も単気筒で行くの?
E はい。そのつもりです。
S マシンも相変わらず素晴らしい仕上がりですね。カーボンモノコック、そしてエアロバリバリ。
E 最軽量賞もいただきました(車重159kg)。
S (実はスケジュールを少し勘違いしていて、上智のファイナル6走行を見過ごしてしまいました……。でも、2周目で止まるところを見ずに済んでよかったのかな? 笑)
MONOist 小林(以下K) 連覇をした後、ここ数年低迷していた活動が、エンデュランスはリタイアしたもの他の審査で好成績を収めました。昨年までと何が変わったとお考えですか?
E 難しいですね。私が思うには、低迷期は気分が沈んでいるんです。今回も取りあえず走るだけでうれしいという雰囲気だったのですが、審査で好成績を収めると「あれ? 今年はいけるんじゃないの?」と感じ始め、プライドが戻ってきたような気がしています。
S やっぱり達成感なんだよな。結果を出すことが一番の薬なんだね。
E はい、今大会でも最初はがあまりタイムを気にしていなかったメンバーたちが、「今何秒だった? どうだった?」と気にしだし始め、チーム全体が勝ちにいくような雰囲気となりました。
S これは来年に期待ですね!
私は2013年の大会でベストラップを更新し続けながらも、2人目のドライバーに交代するためのピットインまであと半周の所で無念のマシントラブルでリタイアとなったSophia Racingの走りを忘れることができません。その時の凄腕ドライバー、藤本哲也さんは今回、エンデュランスの放送席でマシン解説をされていたそうです。来年はかつての強豪校、上智大学の復活が見られることでしょう!(関連記事:優勝校の京大も取材! 若者の熱気があふれるピットエリア)
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