ET 2016/IoT Technology 2016で展示するのは、ピエゾスピーカー(圧電ブザー)を高価なスピーカーの代わりに発話させる「ピエゾD-Amp Driver」だ。石黒氏によると、D-Amp Driverはスピーカーのコストがソフトウェアより高く、普及拡大の壁となっていた。そのため、スピーカー自体を別のものに置き換える必要性を感じていたという。
ピエゾスピーカーに置き換えることで、高価なスピーカーを用いるよりもコストを5分の1~10分の1に削減可能。D-Amp DriverではHブリッジ回路にFETを活用したが、バイポーラトランジスタでの構成ができる。部品コストや回路面積の低減を実現した。
また、コイルを用いたスピーカーでは消費電力が大きく、電池駆動は不可能だったが、ピエゾD-Amp Driverは電池での音声再生も可能にするとしている。
想定するアプリケーションとしては、スピーカーと人間の距離が近い体温計や血糖値を計測する機器などヘルスケア分野を中心に想定。音声ストリームの再生機能も標準型同様に搭載しているため、さまざまな機器をIoTに対応させられるのも特長として挙げた。
石黒氏は、「ピエゾD-Amp Driverは、2015年のET展で参考出展していたが、その時は音質の向上に苦しんでいた。この1年間、鳥の声でもきれいに聞こえることを1つの目標として掲げてきた。途中で諦めそうになったが、改良を重ねたことで解決できた。ET 2016/IoT Technology 2016で、初めてのお披露目となる。展示ブースでは、D-Amp Driverを知らなかった人に訴求するとともに、出展社同士の交流も深めたい」と語る。
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