設計や生産だけじゃない! みんなが使えるPLMへ――PTC製造ITニュース(1/2 ページ)

PTCジャパンは、製品ライフサイクル管理システムの最新バージョンを発表した。同社が展開するThingWorxを活用することで柔軟で外部連携の行いやすいシステム構築を実現。中堅・中小企業など従来PLMを利用していなかった部門への導入を進めていく。

» 2016年02月17日 07時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 PTCジャパンは2016年2月16日、PLM(製品ライフサイクル管理)ソリューションの新製品「PTC Windchill 11」(以下、Windchill 11)を発売した。

 新製品には、同社が2013年12月に買収を発表したThingWorxの技術を採用していることが最大の特徴となる。ThingWorxは2009年に創業。IoTアプリケーションの開発基盤として、アプリ開発を簡単に行えるようにするIoTアプリ開発プラットフォームで先進的なポジションを得ている特徴的な企業だ。

 PTCでは、このThingWorxの技術を用いることで「スマート」「コネクテッド」「コンプリート」「フレキシブル」の4つの方向性での進化を実現したという。

photo Windchill 11の進化の方向性(クリックで拡大)出典:PTCジャパン

スマートな「PTC Navigate」

 「スマート」は、従来製品情報などを活用できなかった職種でも利用しやすいようにするという利用職種を拡大しようという方向性の進化である。Windchill 11では、新たな機能として「PTC Navigate」と「Windchill Search」を搭載した。

 PTC Navigateは、Thingworxの技術を活用したもので、Windchillのユーザーインタフェース(UI)を独立したアプリとするものだ。これによりWindchillのバージョンアップがあった際も、カスタマイズによる開発費用を抑えることができる。

 PTCジャパン 製品事業部 PLM営業技術部部長 貴島雅史氏は「製品情報を幅広い職種で活用する際に、職種によっては不要な機能などがあり、そのまま使用すると不便な場合がある。従来であれば、職種ごとにカスタマイズし開発費用をかけて使用するケースがあったが、Windchill本体のバージョンアップがあれば、再度カスタマイズに開発費用がかかり不便な状況となっていた。新バージョンでは、UIを独立したアプリとし、API(Application Programming Interface)により機能およびデータ連携する仕組みとする。これによりPLM本体がバージョンアップしてもUIはあらためて開発する必要がなくなり開発費用を抑えられる」と利点を述べている。

 Windchill Searchは、PLMに収納したドキュメントなどの製品情報を容易に検索できる機能である。Windchillは初期バージョンから検索機能を搭載していたが、従来は検索結果に対し実際にファイルやデータを開かなければ、目的のものかどうかを判別することができなかった。新バージョンでは、プレビューを表示できるようにしたことで、簡単に目的のファイルやデータを検索できるとしている。

 また、知財保護機能なども追加した。従来はドキュメントのみに「社外秘」などの設定をかけることができたが、CADのデータにもかけることができるようになり、サプライヤーとデータを共有する場合などに便利だという。

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