MM総研がコミュニケーションロボットの法人需要に関する調査結果を発表した。コミュニケーションロボットの企業認知は6割を超えるが、Pepperの認知はそれ以上という結果。導入しない理由は「用途が見えない」がトップに。
MM総研は2016年1月26日、コミュニケーションロボットの企業需要に関する動向調査を発表した。コミュニケーションロボットに対する企業(法人)の認知度は6割強に達しており、知人度はソフトバンク「Pepper」が群を抜いていた。
調査は2015年12月に1033の法人(官公庁含まず)を対象として行われ、回答企業の従業員数は1000人以上20.8%、500人以上1000人未満6.5%、100人以上500人未満17.8%、10人以上100人未満32.9%、1人以上10人未満21.9%。業種は流通業38.3%、製造業16.4%、教育産業5.1%、金融業4.3%、医療・介護業6.6%、建設業8.4%、情報通信業7.9%、その他産業13.0%。
来客対応や情報提供といった動作を行うコミュニケーションロボットを知っているかどうかの質問については、具体的な機能についての知識差はありながら60.7%の企業が「知っている」との回答を寄せる。また、どのようなコミュニケーションロボットを知っているかを尋ねたところ、Pepper(63.4%)やRobi(17.8%)などの名前が挙がった。
わずかではあるが、コミュニケーションロボットそのものの認知度(60.7%)よりも、Pepperの認知度(63.4%)が高いという結果になっており、コミュニケーションロボット市場においてはPepperの存在感が際だったものとなっている様子が浮き彫りになった。
コミュニケーションロボットの法人導入については「導入している」が2.4%にとどまっており、導入意向についても「導入検討をしていない」が89.9%と高い割合を占める。それなりの認知度がありながらも導入検討の段階には進んでおらず、その要因については「活用する余地がない」(30.6%)が最も多く、次いで「導入コスト」(20.4%)、「費用対効果が不透明」(19.9%)といった回答が挙がっている。
自社導入の意向を示す企業は多くないが、コミュニケーションロボット市場への参入については、2割強の企業がソフトウェア開発やサービス事業、ハードウェア開発といった観点から参入意図があると回答しており、市場そのものが今後、拡大していく可能性を示している。
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