これまで見てきたように、問題解決のためには、問題を引き起こしている真の問題である「原因」を見つけ出した上で、適切な「課題」の設定が必要です。この原因(真の問題)を見つけ出すために、トヨタ自動車の生産現場では、「なぜ(Why)を5回、繰り返せ」といわれています。
これは「トヨタ生産方式」を体系化したことで有名な、生産管理の神様ともいえる、トヨタ自動車の元副社長であった大野耐一氏の「1つの事象に対して、5回の『なぜ』をぶつけてみたことはあるか。5回の『なぜ』を自問自答することによって、ものごとの因果関係や、その裏にひそむ本当の原因を突きとめることができる」という言葉に由来しています。この「なぜの5回の繰り返し」は、ものごとの真の原因を明確にする上で非常に重要となります。
例えば、先ほど例として挙げた、RPGでボスキャラをなかなか倒せない場合はどうでしょうか。倒せない原因がどこにあるのかを探るときに、この「なぜの5回の繰り返し」を行ってみると以下の様に考えられるかもしれません。
こうした「なぜ」を繰り返すプロセスにより、問題の真の原因を把握しやすくなり、結果的に「適切な武器を入手する」という課題を設定することができるのです。この「5回のなぜの繰り返し」とは、仮説と検証を何度も行うことで、目の前で起こっている現象の奥深くに隠されている「真の問題」を導くことだといえるでしょう。
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