トヨタ自動車は2014年度第3四半期(2014年10〜12月)決算を発表した。日本の消費増税の反動減や新興国市場の停滞などの影響を受け、販売台数は減少したものの継続的に取り組んできた原価改善努力や営業努力などによって、増収増益を実現。営業利益率は10%を超え、過去最高の売上高、営業利益を実現した。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2015年2月4日、2015年3月期(2014年度)第3四半期(2014年10〜12月)の決算を発表。第3四半期としては売上高、営業利益、当期純利益で過去最高を更新した。
トヨタの2014年度第3四半期決算(2014年10〜12月)は、売上高が前年同期比8.9%増の7兆1700億円、営業利益が同27.0%増の7628億円、当期純利益が同14.2%増の6000億円となり、第3四半期としては過去最高の実績を残した。また、2014年4〜12月の9カ月累計で見ても、売上高は同5.2%増の20兆1156億円、営業利益は同13.9%増の2兆1148億円、当期純利益が同13.2%増の1兆7268億円とこちらも過去最高だ。グループ総販売台数は、10〜12月では同4万7000台増の261万5000台となっている。
トヨタ 常務役員の佐々木卓夫氏は「国内の消費増税による駆け込み需要の反動減や、タイをはじめとする新興国市場の停滞などから、販売台数の面では影響を受けたが、これまで地道に取り組んできた『販売台数の影響を受けずに収益を生み出せる体制作り』の成果が現れた」と手応えを語っている。
また、今回の損益面での増減要因では、9カ月累計の営業損益で見た場合、為替変動の影響によるプラスの効果が2150億円分あり、過去最高益を実現するのに実質的に最も大きなプラス材料となったが、佐々木氏は「今期に関しては為替変動の影響がプラスに働いたことは事実だが、当社が求めているのは為替の動向に一喜一憂しないで済む体制作りだ。原価改善や営業努力などを地道に積み上げてきたことの効果が重要だ」と述べる。
さらに、今まで過去最高の営業利益となった2008年3月期(2007年度)第3四半期と比べて「当時はドルが117円、ユーロが163円で、現在の想定為替レートであるドル107円、ユーロ140円と比べてもまだ大きく円高の状況だといえる。これを単純に為替環境を比較したとすると、今期は2007年度に比べて営業損益で3700億円規模でマイナス効果を受けたといえる。この環境で当時と比べて2400億円規模でプラスの実績を残しているということは、これらの合計額の規模の原価改善や営業努力をしてきたということだ」とリーマンショック以降一丸となって取り組んできた原価改善の成果を強調する。
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