dSPACEが「MicroAutoBox」の廉価版を開発、台上利用に限定してコスト削減設計開発ツール

dSPACE Japanは、東京都内で開催したユーザー会「dSPACE Japan User Conference 2014」において2つの新製品を披露した。「MicroAutoBox」の廉価版となる「MicroLabBox」と、HILSシステムなどに組み込むプロセッサボード「DS1007」である。

» 2014年06月09日 09時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]
「MicroLabBox」の外観

 dSPACE Japanは2014年6月6日、東京都内で開催したユーザー会「dSPACE Japan User Conference 2014」において2つの新製品を披露した。

 1つは、RCP(Rapid Control Prototyping)用のハードウェア「MicroAutoBox」の廉価版となる「MicroLabBox」である。MicroAutoBoxは、自動車の中で利用するのに必要な熱や振動への対策が施されている。MicroLabBoxは、研究開発部署の室内において、台上で利用することを前提としており、MicroAutoBoxのような対策が不要なのでその分コストを低減できているという。プロセッサは動作周波数2GHzのデュアルコア「PowerPC」で、XilinxのミッドレンジFPGA「Kintex-7」も搭載している。Kintex-7を使えば、レゾルバセンサーなどが必要な3相モーターなどの研究開発に利用できる。

 発売は2014年冬の予定。現行の「MicroAutoBoxII」がソフトウェア込みで500万〜600万円だが、MicroLabBoxの価格がこれを下回るのは確実だ。

dSPACE Japanの新製品である「MicroLabBox」(左)と「DS1007」(クリックで拡大)

 もう1つは、HILS(Hardware in the Loop Simulation)システムなどに組み込むプロセッサボード「DS1007」だ。従来品の「DS1005」のプロセッサは動作周波数1GHzのPowerPCだったが、DS1007は動作周波数が2倍となる2GHzのデュアルコアPowerPCを採用している。また、DS1005はPCと接続するインタフェースが専用のものだったが、DS1007は一般的なイーサネットケーブルで接続できるギガビットイーサネットインタフェースに変更されている。さらに、DS1005は別売りの専用コンパイラを使う必要があったが、DS1007は無償のGNUベースのコンパイラを利用できるという。

 DS1007は2014年夏に発売する予定だ。

「MicroLabBox」と「DS1007」の説明パネル 「MicroLabBox」と「DS1007」の説明パネル(クリックで拡大) 出典:dSAPCE Japan

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