Orange Healthcare(オレンジ・ヘルスケア)は、フランスの大手通信事業者フランステレコム(ブランド名はオレンジ)のグループ企業である。デジタルヘルスケア、遠隔医療、高齢者の自立支援といった分野に向けて、ソフトウェア企業などと提携し、ヘルスケア用システムやサービスを開発、展開している。
特に注力しているのが高齢化問題と遠隔医療だ。同社のNadia Frontigny氏は、「先進国はどこでも高齢化社会に関連する問題を抱えている。Orange Healthcareでは、通信事業者のバックボーンがあることを生かして、高齢者の生体情報や健康データを測定、収集し、ビッグデータとして生かすシステムやサービスを検討している」と語る。遠隔医療については、「今後は、自宅で生体情報を測り、データをシェアするといった方法が普及するのは間違いない。それに向けたサービスを開発していく」と説明した。
Metrovision(メトロビジョン)は、視覚機能や眼球運動の測定機器などを開発、製造している。同社の製品は、特に白内障や緑内障の診断、屈折矯正手術(視力を変える手術)、神経眼科などの分野で採用されているという。フランスの研究所をはじめ、世界800カ所で販売実績がある。同社の製品はCEマークを取得している。
視野を測定する機器「MonCv3」は、目の動きだけでなく頭の動きをセンシングによって追跡し、視野を測る。MetrovisionのJacques Charlier氏は、「頭の動きを追跡できるようにしたことで、赤ちゃんや子どもの視野測定が簡単になった。小さな子どもはよく動くので、従来の機器では視野を正確に測定するのが難しかった」と説明する。
Inova Software(イノヴァ ソフトウェア)は、主に製薬会社向けに、業務管理ソフトウェアを提供している。
Inova SoftwareのGilles Toulemonde氏は、「製薬/創薬の業界ではパートナーシップを締結して開発を行うケースが増えている。複数の企業とパートナーシップを組むとなると、数百から数千件に上る連絡先、ミーティング、契約、ライセンシングなどを管理しなくてはならない。中小規模の企業では、これらの管理をエクセルで行っている場合も少なくない」と語る。INOVAは、こうした複雑で膨大な数の業務を一括して管理できるソフトウェアを提供する。
Toulemonde氏は、「日本では、武田薬品工業が当社の業務管理ソフトウェアを採用している。大手だけでなく中小規模の製薬会社も多数存在する日本は、当社にとって重要な市場である」と述べた。
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