ストラタシス・ジャパンは2013年10月21日、東京オフィスにショールームを開設。その記者発表で同社の3Dプリンタ関連のビジネスや事例について発表した。
3Dプリンタベンダー ストラタシス(Stratasys)の日本法人、ストラタシス・ジャパンは2013年10月21日、東京オフィス・ショールーム開設に関する記者説明会を開催。ストラタシスの経営陣が、同社の3Dプリンタ関連のビジネスや事例についても話した。
ストラタシス・ジャパンの本社は2013年8月1日に、幕張(千葉県千葉市)から茅場町(東京都中央区)に移転。「パートナー企業や顧客に物理的に接近することによる、ビジネスのオペレーション効率アップが目的」とストラタシス・ジャパン 代表取締役社長 エリック・ゴギー氏はいう。現在、同社のアジアにおける収益は日本が約40%を占めているという。
2013年10月18日には、ITベンダー ファソテックが所有していたストラタシス・ジャパンの株をストラタシス本社が全取得し完全子会社したことも発表している。日本におけるローカルビジネスをより強力にサポートするためだという。それに伴いファソテックは、同社のチャネルパートナーから外れた。
なお、同社ショールームには、以下の3Dプリンタを展示する(FDM=樹脂溶解堆積、ポリジェット=UV硬化樹脂)。
併せて、さまざまな3Dプリンタで造形されたサンプルも多数展示する。
2013年6月に発表した個人向け3Dプリンタベンダーの米Makerbot社の買収に関して、ストラタシス CEOのデイビッド・ライス氏は「2013年8月に買収プロセスが終わったばかり。今は経営統合の定義を行っているところであり、来年の頭には、具体的な方針について発表する予定。発表当初、Makerbotは、独立運営の方針を打ち出していたが、さらなる拡充を目指してストラタシスがサポートしようと計画している」とコメントした。
ライス氏はまた、Makerbotが「素晴らしいハードウェアや消費財を提供するだけではなく、製造業における補完的エコシステムももたらしている」と述べた。Makerbotが運営する3次元データ共有サービスの「Thingiverse」のことである。同サイトのアクセス数は、毎月100万ユニークユーザーほどで、データのダウンロード数は累計で2200万回を達成している。この数字は、「プロシューマ」と呼ばれる生産も消費も両方行うユーザーの盛り上がりを示す。
3Dプリンタと言えば、廉価な個人向け機種が注目されがちであるが、ライス氏は「製造分野についてもまだ伸びしろがある」と話した。鋳造で製作していた部品を3Dプリンタの造形物に置き換えることで開発期間やコストの削減をかなえている事例があると紹介した。また従来のような試作だけではなく、最近は最終製品での適用事例が目立つ。
また、同社が運営する「RedEye」という未来型工場も紹介。工場は米国のミネソタ州にあり、クリーン環境で「Fortus400」と「Fortus900」を150台備えており、1日24時間、3交代制、全自動で1日約1000個のパーツを製作している。同工場のWebサイトに3次元データをアップロードして自動見積もりするサービスも備える。顧客は、航空宇宙、建築、自動車、事務機、家電製品、電子機器、医療機器、エンターテイメント、インテリアデザイン、ホビーと多岐にわたるとのことだ。
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