今回は「一人家電メーカー」として注目を集めるビーサイズ 八木啓太氏が登場! 同社のLEDデスクライト「STROKE」や新製品でも、小ロット生産を力強くバックアップするプロトラブズのサービスが活躍していた。どんどん見積もりして部品のコストダウンや納期短縮をかなえるという、八木流プロトラブズ活用法とは? 八木氏の設計した製品の実際の見積もり詳細情報も公開!
「面談不要の加工・成形屋さん」の第1回、第2回では、MONOistの記者(筆者)が「iPadスタンドを作ろう」ということでプロトラブズの見積もりを試しまくり、最終的には、現役のプロたる設計者の支援を受けながら、射出成形で実物を作り上げるところまでやってみた。
第3回は、記者ではなく、いま「一人家電メーカー」としてその活躍が注目されているビーサイズのエンジニア 八木啓太氏が登場し、同社のLEDデスクライト「STROKE」や新製品でプロトラブズをどう活用しているのかお伺いした。
八木氏は、大手フィルムメーカーに機械設計者として数年在職した後に、家電メーカー ビーサイズを起業。以来、同氏たった1人で、企画から、回路/筐体設計・試作、試験・評価、量産、梱包(こんぽう)デザイン、販売、営業……とこなしている。
八木氏のような少量生産をメインとする新参メーカーにとって、部品加工を依頼するメーカーの開拓はそう簡単にはいかない。そんな中、見積もりを全自動で素早く実施し、単品〜小ロットから、しかも短納期で対応してくれるプロトラブズの存在は心強かったという。
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なおプロトラブズのサービスについて、詳しくは本連載の第1回、第2回もご覧いただきたい。
八木氏がプロトラブズのことを初めて知ったのは、ビーサイズを創業して間もなくのころだった。当時、試しに3次元CADで作った試作モデルをプロトラブズのサービスにアップロードしてみたところ、数時間ほどでサクッと回答が来て、「これはいい!」と思ったそう。
STROKEは、ごくシンプルな形状で、電源マークを指でタッチすることでLEDが点灯する。この部分は、設計初期段階にさまざまな形状を検討していたという。この部分の試作でプロトラブズの切削加工サービス「Firstcut」を活用した。最終的に形状がフィックスした後は、金属の旋盤加工品を採用した。
上記は試作での例だが、STROKEでは実際の量産製品にもプロトラブズ製の部品を一部使用している。八木氏は、イニシャルコスト(初期投資額)をなるべく抑えるため、できるだけ金型を起こさなくて済む方向で設計を進めていたが、どうしても金型が必要と判断した個所があった。
上の写真のブラケットは、伝熱と導電を遮断するために樹脂で製作する必要があり、切削するにも両面からの加工が必要な形状だった。この部品は24mmの小さいものだが、他部品とのバランスを考え、思い切って「金型を作るべき」と八木氏は判断。そこでプロトラブズの射出成形サービス「Protomold」を利用してみることにした。
八木氏は見積もり依頼に出す前に、単品で設計するのではなく、ランナーに部品が複数個ぶら下がった状態を1部品として設計した。
納品もこの状態でしてもらい、組み立てる前に1つ1つカットして使用するようにした。幾つか部品配置のパターンを検討して、どんどん見積もりを出して、価格を比較した。
最終形状を決定した後には、プロトラブズの営業担当に「なるべくコストを落としたい」という意向と、具体的なアイデアも八木氏から積極的に伝えて、両者がよく話し合ったうえで加工のフェーズに進んだ。こちらは内部部品ということもあり、金型に磨きを施さないようにして、コストを節約した。最終的には、(8個取りの)部品単価換算で数百円まで落とすことができたという。
「実際の見積もり情報」として紹介しているリンクでは、発注が出来ない処理がされています。また「ABCデザインハウス」という架空の名称が書かれていますが、見積もり額や詳細は実際のものです。
実際の見積もり情報: | |
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⇒ | 樹脂ブラケットの見積もり(切削) |
⇒ | 樹脂ブラケット見積もり(射出成形) |
NOTICEは、Facebookの「いいね!」やメッセージの新着などをFacebookのGUIに見立てて表示するグッズだ。
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こちらはMONOistの記事企画から生まれた製品だ。記事を通じて試作した後にプレスリリースし、アメリカのクラウドファンディングサービス「Kickstarter」に出品した。ファンディングの結果によって、量産するか否かを決定するという。
NOTICEは基板と筐体だけのシンプルな構成だが、今回は単にデザインモックを製作するだけではなく、回路とソフトウェア、筐体を含めて実機を試作し、機能面、コストを保証してからKickstarterに臨んだ。
この筐体の試作でも、プロトラブズのFirstcutを活用した。八木氏の場合、あらかじめ射出成形することを見込んで筐体を設計し、もし量産の予定が立てば、ただちにその3次元モデルをProtomoldに送ればよいだけにしておいた。
実際の見積もり情報: | |
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⇒ | NOTICE筐体の見積もり(切削) |
現在、八木氏は非接触のスマートフォン充電器を開発中だ。こちらは、筐体の上に置くだけで充電することが可能だ。充電回路は発熱量が多く、薄く小さな筐体の中にこもりやすい。現在は、試作しながら放熱性能を評価中ということだ。
新製品のために、いくつかのアイデアを試作しているという。以下の写真は、その1つだ。STROKEの脚の部分に収まるようになっている。
このプロトタイプの3次元モデルは、八木氏が深夜にモデルを完成させてプロトラブズのサイトにアップロードしたものだが、朝には見積もりが届き、Firstcutで発注、当日の午後には現物ができあがっていた。
一般的な加工サービスを利用する場合、このケースのように夜中にモデルを完成させたなら、その翌朝に加工メーカーに連絡し、打ち合わせをした後に見積もりを出してもらい……、とやっているうちに1週間は経ってしまっただろう。
実際の見積もり情報: | |
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⇒ | FORCE筐体の見積もり(切削) |
この製品は半年以内に発売を開始する計画で、現在も開発が進行中だ。
八木氏は、メーカー勤務時代に学んだ樹脂部品設計の知識を生かし部品設計し、さらにプロトラブズの営業担当にも積極的に自分のアイデアを相談した。いくらプロトラブズ側が丁寧にアドバイスしてくれるといっても、依頼側に前もって樹脂部品設計の知識があった方がより有意義に利用できる。知識に自信がない人は、同社が用意している「金型ミニチュア模型」などのユニークな無料教材や、本連載第2回でも紹介した「樹脂部品設計ガイド」を活用してみよう。
関連リンク: | |
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⇒ | 樹脂部品設計ガイド(プロトラブズ) |
⇒ | 金型ミニチュア模型(プロトラブズ) |
プロトラブズでは、これまでの顧客が発注した部品の金型を全て無償で保管している。追加で部品が必要になったときは、必要な個数をすぐに5〜10日ほどで製作してもらえる。まさに「オンデマンド製造」ということで、在庫レスを実現できるわけだ。金型は、半永久的に保管し、顧客側が廃棄したいと考えれば、処理を外部の事業者に依頼し、廃棄証明書を取ってくれる。
プロトラブズで製作する金型はアルミ製で、樹脂の種類や形状によって耐久性が違ってくるが、1万ショット程度の実績があるので、小ロットには最適である。1万個以上を製作するのであれば、鉄製の量産型が適していることもあるので、射出成形の見積もりサービス「ProtoQuote」を活用して試算し、量産型での費用と比較しよう。100〜数千個範囲のロット数で、かつ数千〜数百円の単価を実現するには、Protomoldが威力を発揮する。
資金に余裕がない小ロットメーカーにとって、このような少量生産とコストに優しい体制はありがたい。プロトラブズとしても、八木氏のような個人や小さなメーカーによる元気で面白い製品開発をどんどん応援していきたいということだ。
以下は「面談不要の加工・成形屋さん」第2回で製作したiPadスタンドを追加製作した場合の試算結果だ。まずは25個を製作して、形状やデザインを確認し、市場性の見込みがあると判断したことで、さらに1000個を10営業日で製作した場合の試算だ。金額は、ProtoQuoteの見積もりに含まれる「追加製作シミュレーション」欄に掲載されている情報を使用している。
このiPadスタンドは、冊子にまとめた「面談不要の加工・成形屋さん」の第1回、第2回の記事と一緒にプロトラブズから無料で入手できる。
>>MONOist記者と一緒に製作したiPad/iPhone 樹脂スタンド
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提供:プロトラブズ合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2012年10月25日
MONOistの記者が、iPadスタンド作りにチャレンジ! Web上の加工・成形屋 プロトラブズの見積もりサービスで、自分が作ってみた、ちょっといいかげん(?)なモデルが切削加工でいくらになるのか試してみた。
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今回は、MONOist「メカ設計フォーラム」でおなじみの「甚さん&良くん」コンビが登場! カッコイイ!? チャリティーグッズの設計にチャレンジだ。プロトラブズの見積もりサービスで樹脂部品設計を支援。