優勝を勝ち取ったSWCNは、横浜大会の優勝チーム 由紀精密(神奈川県茅ヶ崎市)のコマと対戦。由紀精密は今回、業務の都合でシンポジウムに参加できず、心技隊の事務局長 エムエスパートナーズ 代表取締役 伊藤昌良氏が代理で対戦。
橋爪氏はここでもギプスなしで臨み、ケミカルウッドの競技台のコンディションも入念にチェック。
その結果は、SWCNが勝利。横浜大会の王者も破ったことで、真の「コマ大戦 日本一」となった。
今回は表彰状と、茨城県水戸市生まれのタレント 磯山さやかさんのサインが授与された。もちろん前大会と同様に「コマ総取り」の権利も得た。
SWCNのコマ設計では、長野県内で散り散りになっているメンバーを集めるために、SNSやビデオチャットを活用した。そのコマの設計や、SNS活用など、その舞台裏は、MONOistの記事であらためて詳しく紹介する。
今回のコマ大戦には、MONOistも参加しました! ――とはいえ、編集記者がコマの設計から製作まで全てを行うのはさすがに無理。そこで、これまでに取材でお会いしてきた企業に協力していただけることになり、素敵なコマを完成させ、出場をかなえることができた。出場にあたっては、PLMベンダーのシーメンスPLMソフトウェアにスポンサードしていただいた。
大会当日は、記者の小林が参加した。編集部が持ち込んだコマは通常、以下のような形状をしている。もちろん、φ20以内というレギュレーションもクリアしていた。
これが、回転時に「花が咲くように」展開するという仕組みだ。
この花弁は、対戦するコマとの直接の接触を避け、かつ弾き飛ばすことを狙いとした。相手のコマにうまく接近させ、かつ回転力がやや弱ったときに、この花弁の接触は有効なはずだった。大会前に、由紀精密が横浜大会に持ち込んだものと同性能のコマと対決させ、3回中1回だが勝っていた。
MONOistチームの初戦は、大塚製作所(茨城県水戸市)と対戦。大塚製作所の回し手は、ひたち立志塾の卒業生である同社 取締役の根岸忠宏氏。
砲金(BC6)製で、2ピース構造のコマだ。円筒研削盤で仕上げた。コマの下部に4本の溝を斜めに切っておいて、そこに1個ずつ超硬ボールを仕込んでいるとのこと。回転時には遠心力でボールが外周に移動する。減衰してくるとボールは中心軸部に移動して安定度を高めるとのこと。シンプルな形状のようで、なかなか凝っている。
――その勝負の結果は、……われわれが敗退。
コマは、満足のいく性能に仕上がっていたものの、当日の回し手であった記者が緊張してしまい、狙ったとおり、うまく回すことができなかった。対戦相手のコマのそばで、このコマを回すことができていれば、勝てる可能性もあったので、悔やまれる。横浜大会の回し手の皆さんも、「手が滑ってうまく回せなくてくやしい」とよく言っていたが、その心境が身にしみてよく理解できた。
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