パナソニックは住宅用太陽光発電システム「HITシリーズ」のモジュール変換効率を18.7%に高めた。2012年3月8日から、SiCパワーコンディショナなどとともに受注を開始する。
パナソニックは、住宅用太陽光発電システム「HITシリーズ」の太陽電池モジュール変換効率を18.7%に高めた「パナソニック 住宅用太陽光発電システム HIT240シリーズ」を開発し、2012年3月8日から受注を開始すると発表した(図1)。モジュールの価格は、18万2700円(税込み、工事費別)。
HIT太陽電池としては最も変換効率が高い。パナソニックによれば、大阪市に設置した場合、システム容量1kWあたりの年間発電量は1169kWhに達するという。
HIT太陽電池は、三洋電機が開発したSi(シリコン)系太陽電池。n型単結晶Siの上下に10nm以下と非常に薄いアモルファスSi層(それぞれi型層とp型層)を形成した構造に特長がある。単結晶Si太陽電池よりも高温時の特性低下が少ないことが利点だ(関連記事:三洋HITの開発と20年前のGENESIS計画)。今回、変換効率を高めるために、単結晶SiとアモルファスSiの界面の構造を最適化したという。
太陽電池の出力する直流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナーも一新した。SiC(炭化ケイ素)ショットキーダイオードを採用した「集中型パワーコンディショナー 2.7kWタイプ」(図2)は電力変換効率が95.5%であり、これは同時に受注を開始したSiダイオードを用いた3品種の95%を上回る。
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