昨今、小さな画面を持ったデバイスでもフルブラウザ対応の要求があるという。そこで必要となるのが、指を使ったスクロール操作やパン/ズームなどの機能だ。
これまでのCEの標準ブラウザでは、こうした機能に対応していなかったが、今回のCE 6.0 R3からパン/ズームをサポートする「タイルエンジン」が搭載された。「さらに、パン/ズームをスムーズに行わせるために、Internet Explorer自体を最適化し、さらに、H/Wアクセラレーションにも対応させた」と永田氏。
なお、Internet Explorer Embeddedを有効にするには、OS構築時に関連する各種コンポーネントを追加する必要がある。ただし、各コンポーネントの組み合わせには制限があるので注意が必要だ。
HTMLページを複数の“タイル”に分割し、ユーザー操作とHTMLレンダリングを切り離すことにより、パン/ズームをサポート。ユーザーがWebページを左にパンすると表示部分が右に動き、いままで隠れていたタイルが新たにレンダーされて見えるようになる。なお、スクリーン外へ移動したタイルは破棄または再利用される。さらに、HTMLページをズームアウトした際は、タイルがスケーリングし、古いタイルは破棄され、新しいタイルが作られる。そして、新しい解像度に合わせてレンダリングされる。
CE 6.0 R3には、タイリングエンジンを使った「XAML UIサンプルブラウザー」が用意されている。「ソースコードが公開されているので、タイリングやUI(XAML)を変更したりと、自由にカスタマイズして利用できる」(永田氏)。
Internet Explorer Embeddedのアーキテクチャは、以下のとおりだ。
「MSHTMLエンジン、タイリングエンジン、Silverlight for Windows Embedded以外の部分はカスタマイズ可能な領域だ」(永田氏)。
さらに、ブラウザのプラグインとして、Adobe Flash Player 8(一部、Flash Player 9にも対応)とActionScript 2.0に対応したAdobe Flash Lite 3.1.0をサポート。「Adobe社のパートナーが開発したもので、サブライセンスという形でCE 6.0 R3のブラウザ上で利用できるようにした」(永田氏)。
ただし、Flashのコントローラは、Internet Explorer Embeddedブラウザのインラインにアイコンで表示される。ユーザーがアイコンをクリックすると、新しいトライデントWindowがポップアップし、Flashアニメーションが再生される。
ここで紹介し切れなかった機能や、よりテクニカルな話は、間もなく掲載される連載「ココが変わったWindows Embedded CE 6.0 R3」をご覧いただきたい。
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