Windows 7から2本以上の指を用いたジェスチャ(パン/ズーム/回転/プレスアンドタップ)操作に対応したAPIセットがサポートされ、タッチスクリーンなどの対応装置上でこれまでにない直感的なユーザーインターフェイスを構築できるようになった。
「KIOSKやPOS、ATM端末などの操作がWindowsタッチによって大きく変化する。組み込み機器メーカーにとって差別化の“キー”となる機能といえるだろう」(永田氏)。
<Windowsタッチのデモンストレーション>
「マルチタッチは、従来のマウスやキーボードなどのユーザーインターフェイスの延長ではなく、人間の自然な動作を機器に取り込める新しいユーザーインターフェイスといえる。この特長を考慮したインターフェイス開発が、製品の差別化を図るうえで今後重要になるだろう」と、デモンストレーションで登壇したマイクロソフト デベロパー&プラットフォーム統括本部 UXテクノロジー推進部 エンベデッドデベロッパーエバンジェリスト 太田 寛氏はいう。
さらに、太田氏はWindowsタッチの可能性について、「デジタルサイネージやセルフPOSのような、お客さんに直接操作してもらう端末などで自然なユーザーインターフェイスを提供できるだろう」と説明した。
Sensor and Locationプラットフォームとは、Windows上でセンサ類などを効率的に扱うための統一的な仕組み・形式を開発者に提供するプラットフォームだ。この仕組みにより、さまざまなセンサ類などをプラグアンドプレイのような感覚で自由に接続できるようになる。「これまではOSにこうしたセンサ類を取り扱う抽象化レイヤが存在しなかったが、Windows 7では各センサを抽象化して、アプリケーションがどのような方法でセンサにアクセスすればよいかを定義している」(永田氏)。
<Sensor and Locationプラットフォームのデモンストレーション>
昨年、米国ロサンゼルスで行われた開発者向けカンファレンス「Professional Developers Conference 2008」で、参加者に配布されたフリースケール・セミコンダクタ製のSensor and Locationプラットフォーム用の評価ボードを基にデモンストレーションが行われた。なお、このボードにはタッチセンサが8つ、照度センサ、加速度センサ、USBポートなどが搭載されている(画像13)。
さらに、このボードをベースにして開発されたセンサ内蔵グローブ(画像15)のデモンストレーションが披露された(画像16)(画像17)。
「ほかにも、温度センサや大気圧センサ、さらには脳波センサなどのさまざまなセンサを組み合わせることもできる。Sensor and Locationプラットフォームにより、これまでにない新しい魅力的な製品開発が実現できるだろう」(太田氏)。
「過去のアプリケーション資産を活用したい」といったユーザーからの要望に対するマイクロソフトの“解”として用意されたのがVirtual Windows XPだ。「Windows 7の開発に当たり、下位互換性については十分に考慮し、取り組んでいるが、どうしても一部の既存アプリケーションが動作しないといったケースもある」(永田氏)。Virtual Windows XPは、仮想化ソフトウェア「Windows Virtual PC」を用いて、仮想化環境上でWindows XPを動作させてアプリケーションを実行できる仕組みだ。
「この機能は最新のWindows Virtual PCの機能を使っており、すでに設定されたWindow XPのイメージをその上に載せて出荷することもできる。Windows 7で提供された新機能を活用しながらも、Virtual Windows XPにより、過去のアプリケーション資産もシームレスに運用できる」と永田氏はいう。
<Virtual Windows XPのデモンストレーション>
画像18のように、仮想化環境上で動作するWindows XPのデスクトップ環境を表示せずに、アプリケーションのウィンドウだけをWindows 7のデスクトップ上に表示できるのが大きな特長だ。「このように過去のアプリケーションをあたかもWindows 7で動いているように見せることが可能だ」と永田氏。
関連リンク: | |
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⇒ | マイクロソフトが考える組み込みの世界(前編) |
⇒ | マイクロソフトが考える組み込みの世界(後編) |
以上のように、組み込み分野で活用できる機能・テクノロジがWindows 7には数多く備わっている。今後ますます高まっていくであろうWindows 7へのユーザー要求に、いちはやく対応できるよう、いまのうちからWindows 7の新機能について調査・検討を行ってみてはいかがだろうか。
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