PTCの提供するPLMソリューションは「製品開発システム(PDS)」と呼ばれ、製品情報の「作成」「管理」「協働」「構成」「伝達」という5つの各分野に最適化されたITツールを提供していく。Windchillはこれらのツールを協調させるハブの役割を果たす。製品の独自性は、業務プロセスに着目したシステム構成にあるという。
PTCジャパンは2007年11月8日、製品ライフサイクル管理(PLM)製品「Windchill」の最新バージョンとなる「9.0」の記者説明会を開催した。Windchill 9.0は6月4日(米国時間)に発表されている。同社 社長 井上公夫氏は「Windchill 9.0は単なるバージョンアップではなく、大幅な機能強化を図った重要な製品リリース」だと位置付けた。
海外市場では前バージョンの8.0が大幅な販売増を示したのに対して、日本市場はやや動きが緩やかだったという。井上氏は「日本のお客さまはITシステムに対してやや保守的で、要求される機能レベルも高い」と分析したうえで、9.0ではβ版を主要な顧客に評価してもらい、日本ユーザーからの要望を製品開発にフィードバックさせたといい、「バージョン9.0は日本のユーザーにとって重要な意味を持つだろう」と語った。
PTCの提供するPLMソリューションは「製品開発システム(PDS)」と呼ばれ、製品情報の「作成」「管理」「協働」「構成」「伝達」という5つの各分野に最適化されたITツールを提供していく。Windchillはこれらのツールを協調させるハブの役割を果たす。製品の独自性は、業務プロセスに着目したシステム構成にあるという。
「従来の機能とツールを対応させた個別最適化システムでは業務全体の最適化を阻害してしまう。そこで業務プロセスと整合性の取れたシステムを配置し、業務プロセス全体の最適化を目指すのがWindchillのコンセプトだ」と、同社ビジネス開発推進室 ディレクター 後藤智氏は語った。
Windchillでは、多くの顧客を調査した結果に基づいて、24個の典型的な業務プロセスをテンプレート化しているが、今回のバージョン9.0では特に、
の6プロセスについて重点的に機能強化を図ったという。中でも注目すべき新機能は製造プロセスに関するものだろう。ここに投入された「Windchill MPMLink」は2007年6月にPolyplan社の買収に伴いWindchillに統合されたツールで、eBOM(設計部品表)−mBOM(製造部品表)−生産工程の各ステージで管理する情報を共通のインタフェースによって、連動させた状態で管理できる。仮に設計モデルに変更が生じた場合、それに影響を受けるmBOMおよび生産工程の変更箇所を視覚的に表示してくれるので、設計変更に伴う情報の不整合を防げるという。
また詳細設計プロセスでは、他社製CADとの連携機能を強化したほか、同社の3次元CAD製品「Pro/ENGINEER」のデータ管理に関して、ベースライン作成・編集機能の改善や、パートナー企業とのCADデータ共有を意識したワークスペースのインポート/エクスポートも提供された。さらにビューアのProductView Liteのパフォーマンスも大幅に改善された。
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